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「よくここまで辿り着きました」
目の前の女性はそう言って太陽のように笑い、月のように優しい眼差しを私に向ける。
「あの、ここは？あなたは何者ですか？」
「ここは神域、神の住む世界です」
「神の住む世界？」
「あなたは選ばれました。私はあなたの住む世界を見守る者、10番目の神です」
「10番目？」
「はい、私はあなたであり、あなたは私である」
「私の目となり口となり手となり足となるのです」
「もう考える事も出来ないですけど、とりあえず意味わからないです」
「あなたは面白いですね…そうですね、私の力をお貸ししますのであなたにはあなたの住む世界を守ってほしいのです」
「自分ではしないんですか？」
「神は自身で人の世界に降りる事が出来ません、なのでそれぞれ選んだ人の身体を借りて人の世界を守っているのです。あなたもここに来るまでにそういった人に会っていますよ」
「なるほど、分かりました」
「随分とすんなり受け入れるのですね」
「はい、自分でも何だかよく分からないけど抵抗する気にもならないというか…まぁ神様に選ばれたならそうするしかないのかなって！で、どうすれば良いですか？」
「私の名をお伝えすれば元の世界に戻れます、その後の事は先に世界を守っている彼らに聞いてください」
「名前を聞くだけ？」
「はい、神の名は神同士、そしてその神自身になる者、つまりあなたしか知り得ません」
「そうなんですね」
「なのでこれから私の名をお伝えします。最後に何か聞きたい事などはありませんか？」
「………また、会えますか？」
「会えますよ、何故ならあなたは私だから」
目の前の神様だという女性は私の頭を撫でるようにしているけどそこに手が置かれているような感覚は無くて、ただただ温かさだけを感じた。
「ありがとう、A。」
「私の名は…………
続く (更新停止中)
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作者名：揺蕩 | 作成日時：2024年1月20日 1時
