FactCheck (ページ7)

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「何段目？」

何日経った？何ヶ月？体感、もよく分からない。

何段この階段を登ったんだろう。
振り返れば階段の始まりは見えないし先も見えない。

相変わらず上からは人間では耐えれない程の有り得ない重量がかかっているのにも関わらず私は潰れないし、寧ろ少し慣れてきて進むスピードも前よりかは早くなってきた。

余りにも長い時間が経ったような気がするけど、1度も食事はしていないし、睡眠もとっていない、お腹もすかないし眠くもならないからだ。

疲れはするし重いけど、身体は動くし、動かさなきゃ行けない気がするからただ階段を登り続けている。

どこに向かっているかなんて分からないのにそこに行かなければいけない、そんな気がするから。

そうした事をしているうちにあと数歩先の階段に数字が彫られているのを見つけた。

今まではただの階段だったのに、その目の前の階段には

「127」

と彫られている。

その数字が何を示しているのかは分からないけど、とりあえずその階段を目指す、きっと何かがあるから。

また更にそこからどれだけ経ったのか、あと1歩でその「127」と彫られた階段という所まで来た。

ずっと目指していたはずなのに目の前に来て急に足が進まなくなった、進めたら何かが変わる気がした。

そこに暫く留まって、もうまともに働かない頭を精一杯動かして考えた。
もう考える事をやめて随分経った、何を今更考える事があるだろう、何を今思うのだろう、自分で自分に問いかけるけどもう私の中には疑問も不安も空っぽである事に気づいた。

迷っていたって仕方ない、迷う事自体が今の私にはもう必要無いから。

そうしてまた1歩、歩みを進める。

「127」その階段に足を乗せた瞬間、今までのしかかっていたあの重さがフッと軽くなり、身体から要らないものが全て抜けたような感覚になった。

さっきまで登っていた階段はもう無くて、今までいた空間とはまた別の霧に包まれたような真っ白の空間に私はいた。

「ここは…」

ただ、立ち尽くす私の目の前、霧の向こうに人影のようなものが見える。

そしてその人影は私に近づくけれど、気配は人でも動物でも生き物でも無い、感じた事の無い何かだった。

そして霧の向こうから現れたそれは人の姿をしていて、その姿は私が住んでいた世界でも有り得ないような、言い表せないくらいの美しい女性の姿をしていた。