FactCheck (ページ6)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:5,348 hit

・ページ6

「やっ！ちょっと！！」

バタンッ

扉が閉まる大きな音がした。

扉の先に入ってみると扉の先が真っ暗で見えなかったのが嘘のように白くて何も無い空間が広がっていた。

「なに……ここ」

両替所の先にこんな果てしないくらい広くて何も無い空間があるなんておかしい。
私は夢でも見てるのか、もしかして殺された？ここは天国？そんな事を考えるくらいありえない場所だ。

そして扉がある方を振り返るけどそこに扉なんて無くて後ろもただ空間が広がっているだけだった。

一体自分がどうなってしまったのか、何をしているのか、生きているのか死んでいるのか、そんな事も分からなくなってしまった。

ただ、何となく前に進まなければいけない。
そんな気がしたから果てしなく何も無い空間で前も後ろももうよく分からないけど、ただ自分が向いている方に真っ直ぐ歩いてみた。

どれだけ歩いたかも、何分、何時間歩いたかも分からないけどふとした瞬間に目の前に階段が現れた。

階段なんて見えてなかったのに急に目の前に現れてびっくりした。

目の前にある階段の先は見えなくて、登った方が良いと感じるけれど、登らない方が良いと思う自分もいてその感覚も気持ち悪くてどうしようも無いけれど、きっと登るしか選択肢は無い。

私は目の前の階段の1段目に足を乗せた。

「なに………ｯこ、れ…」

ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

目には見えない何かが私に大きく伸し掛る。

まるで岩のような、大きな波に攫われるような、強く風に打ち付けられるような、そんな感覚が私の真上から全身に伝わった。

絶対にこんな負荷がかかったら死ぬだろうという重さを感じているのに対して、有り得ないくらいキツくはあるけど自分の身体は形を留めている。

「意味わかんない！！！！！！」

そしてまた怒りの感情が沸いてきた。

なんでこうなった？どうしてこんな事をしている？私は何がしたい？グルグルと考え続けていた事はもう全てどうでも良くなっていた。

ただ、この現状に怒りだけが沸いて、そしてそのエネルギーだけを頼りに私はまた1歩、歩みを進める。

「やって………や、る……！！！！」

この先に何があるのかも分からない、ただ進む、それだけだ。