第2話｢試練｣ ページ3
シャッターをくぐった先には少し長い通路があって、その先には受付カウンターがあるようだけど中は薄暗くてよく見えないし、人の気配も無いようだった。
MK｢ここから先はAが1人で行って｣
｢えっ？なんで？｣
MK｢今は一緒に行けないから、でもAはこの先に行かなきゃいけない｣
｢意味わからない｣
何の為に私がこんな所に来てこんな事をしているのかが全く理解出来なかったから先に進むことを拒んだ。
MK｢うーん…じゃあさ、最近周りで何か変な事とか無かった？おかしいなって思う事とか｣
｢変な事？｣
MK｢うん、なんでもいいよ。些細な事でも｣
｢無いかな｣
MK｢無いこと無い！何かしらあるでしょ？｣
｢なにそれ？…うーん、あっ！おかしな天気の日が続いてる。ここ最近毎日！それくらい、かな？｣
MK｢じゃあそれは何でだと思う？｣
｢なんでって…気候のせいとか？｣
MK｢じゃあその気候のせいってのが違ったら？｣
｢え？｣
MK｢それ以外の原因があるとしたら？｣
｢そんなの知らないよ｣
MK｢俺もお天気キャスターじゃないから分からないけどね｣
｢なにそれ…｣
MK｢でもこの世の中に起こる全ての事に何か原因があるとしてその原因が一般的に思い当たる全ての事以外の事が原因だとしたら？｣
｢？？……待って、どういう事？｣
MK｢それがあるかどうかは今のAには分からないだろうけど、もしその真実を知る権利があるとしたら？俺が今言えるのはここまで！知りたいと思うなら後はこの先に行って自分で確かめて｣
マークが何の話をしてるのか全然理解出来なかったし、未だになんでこんな事になってるのかも分からないけど、帰りますって言ってすんなり帰してくれる感じでも無さそうだし…とりあえず言われた通り先に進む事にした。
とりあえずカウンターに向かって数歩歩くけど、普通の両替所なのになんだか変な雰囲気を感じた私は怖くなって途中で足を止めた。
｢ねぇ、マーク？｣
振り返ると、いつの間にかそこにマークの姿は無かった。
慌てて戻ったけどシャッターは完全に閉められてるし開けようとしてもびくともしない。
｢もう、なに！！！｣
今日起きた事と、今起きてる事と、この場所の雰囲気と、 マークに密室に閉じ込められた事、全てのことが合わさって感情が怒りに変わった私はさっきまで怯えていたのが嘘のように物凄い勢いで一気にカウンターまで向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：揺蕩 | 作成日時：2024年1月20日 1時
