第1話｢神の使い｣ ページ1
？｢これ、君のだよね？｣
｢あ、はい。ありがとうございます…これ、どこで？｣
？｢あぁ、えーっと…たまたま見つけて｣
｢？？？、なんで私のだって？｣
？｢うーん、それもたまたま！｣
｢はぁ…｣
目の前の怪しげな男性はなにか誤魔化すようにそう言った。
｢あ、えっと…ありがとうございました。では、私は仕事があるのでこれで｣
？｢あっ！ちょっと待って｣
簡単なお礼だけして立ち去るなんて失礼かな、とも思いつつなんだか怪しいし、見た目がすごい派手で私が苦手な感じで、出来るだけ関わりたくないなと思って挨拶を簡単に済ませて男性の横を通り過ぎようとしたらそれを遮るように止められた。
？｢うーん｣
男性はグイッと私に顔を近づけて私の事をまじまじと見ている。
｢あの…えっと｣
何この人！？近すぎるし、見すぎだし、なんかアクセサリージャラジャラしてて怖いし、早くこの場から立ち去りたい。
？｢やっぱり！！｣
私の事を凄く真剣な表情で見ていたかと思えば、急に大きな声を出すのでビックリした。
｢なっ…なんですか？｣
？｢君だ！！｣
｢はっ？｣
？｢やっと見つけた！！！｣
男性はそう言うとニカッと笑う。
｢あの、なんの事ですか？｣
？｢きみ、名前は？｣
｢あの…えっと｣
？｢大丈夫、悪いようにはしないから｣
正直、初めて会ったよく分からない、私が苦手とするとても派手な見た目の男性に名前を教えるのはちょっと気が引けるな、なんて思っていたけど、大丈夫という男性の言葉が何故かスっと脳に入ってきて気づいた時にはもう私は質問に答えていた。
｢Aです｣
？｢Aか〜｣
そう言って男性は私に手を差し出してきた。
｢俺はマーク！これからよろしく！｣
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作者名：揺蕩 | 作成日時：2024年1月20日 1時
