小さなトキメキ ページ9
────私はバカだ。
目を開けて、一番最初にそう思った。
ここは、どこ?なんて。少女漫画みたいな台詞は出て来ない。
だって、衣類は何も身に着けてないし。
……ほら。
隣にはやっぱりジェジュンが寝てるから。
私を抱き締めるように回されたジェジュンの腕をそっと退けて、彼を起こさないように静かに身体を起こした。
だけど、「……ん」ピクンと揺れた彼の眉。
「……A?起きたの…?」
まだ眠そうな瞼がゆっくりと開いた。
「ごめん。起こしちゃったね」
「んーん。よく眠れた?」
「うん。すごく」
……この前もそうだったけど。
ジェジュンと一緒に寝ると、いつもの寝不足が嘘みたいに、頭も身体もすっきりする……。
「良かった。俺も久々にゆっくり寝たよ」
そう言って、私の頬に触れたジェジュンが幸せそうに笑ってる。
……私のバカ。キュン!とかしてる場合じゃないから!
「……ベッド。運んでくれたんだね」
「ん。寝顔、可愛かったよ」
「そ、そういう事言うのやめてよ…」
「だって本当のことだっから」
ふはって笑ったジェジュンに引き寄せられて、あっという間に彼の胸の中。
「……あー、幸せ」
ぎゅう、っと抱き締められて、肌と肌がピッタリと密着する。
…あーダメ。
昨夜の事を身体が思い出しちゃう…。
「ジェジュン、私の服は?」
「そこ。ちゃんと畳んでおいたよ」
「ありがとう」
彼の腕からスルリと抜けて、急いで下着を身に付ける。
「……帰るの?」
「うん、もう帰らなきゃ」
言いながら服を着る私を見て
「…ふーん」
ジェジュンがゴロンと私に背中を向けた。
……あ。珍しい。拗ねてる…。
だ、だから、キュンキュンしてる場合じゃないんだってば!
「また…来るからっ」
「……いつ」
「すぐ来るよ。だ、だってほら、まだちゃんと話もしてないし」
「……話なんていいから逢いに来てよ」
それは…ダメだよ。だって私たちは……。
黙った私を、ちらっと見たジェジュンがまた私に背中を向けて
「……A」
小さな声で言った。
「…昨日。何回もAのスマホ、鳴ってたよ…」
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ユチコ(プロフ) - miyuさん» miyuさん。わー、泣いてくださったなんて(;▽;) 一緒に心を揺さぶって下さりありがとうございました(*´˘`*) 彼らのその後……!?え、私も気になる…笑 (2021年1月11日 22時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
miyu(プロフ) - ユチコさん!ヤバいです!TAXI!泣きました!物語りにどんどん引き込まれて…心を揺さぶられるstoryに久しぶりに出会いました。今更ですが、その後…も読んでみたいです♪気が向いたらお願いします 笑 いやぁホン (2020年12月18日 23時) (レス) id: aef111b54a (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - YUKIEさん» YUKIEさん。初めまして。コメントありがとうございますヽ(*^^*)ノこのお話を見つけて下さりとても嬉しいです〜☆passですが、現在はコミュのメッセージ機能を使って配布させて頂いております。もし宜しければ、そちらからよろしくお願いします☆ (2019年5月9日 14時) (レス) id: d9338454cd (このIDを非表示/違反報告)
YUKIE - ユチコさん、はじめまして。最近東方神起にはまり、たどり着きました。このお話、不倫ものなのに、とても美しくて、切なくて、とても引き込まれてしまいました。是非パスワード教えて頂きたいです。よろしくお願いします。 (2019年5月7日 11時) (レス) id: 8fe0687aa2 (このIDを非表示/違反報告)
麻樹子(プロフ) - ユチコさん お返事ありがとうございます。早速拝読させていただきます。 (2018年2月10日 22時) (レス) id: ce80ff39ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2016年7月8日 15時