゜*。TAXI〜true love2。*°

私の願いは ページ44

私の選択は、きっと正しい。



「美味しいです。本当に美味しい」


チャンミンのリクエストで作った煮魚を、目の前で本当に美味しそうに食べる姿を見ながらそう思った。


「良かった。ちょっと薄味になっちゃったかなって思っていたの」

「そんなことないです。すごく美味しい。幸せです」


そう言って、本当に幸せそうに微笑んでくれるチャンミンに、私も心から幸せを感じる。


だけど……。


「……Aさんは、その……大丈夫ですか？」

気が付くと、お箸を止めて彼が私を見ていた。
その瞳は、不安そうにも心配そうにも見えて。



「ん？大丈夫だよ？｣

私は慌てて笑顔を作った。



ごめんね、チャンミン。

あなたが私を気遣ってくれていること、わかっているよ。
私の表情ひとつであなたを不安にさせていることもわかってるの。

でも今はまだ。
この気持ちを素直にあなたに伝えることは難しい。


私はあなたの他にも、すごくすごく、傷つけてしまった人がいるから。


こんなつもりじゃなかった。
出会った頃は、こんな風に誰かを傷付けるつもりなんて全然なかった。


いつも笑顔をくれた。
いつも私を優しさで包んでくれた。

なのに、私は彼に背中を向けた。


別れを告げた時のジェジュンの悲しそうな顔が忘れられない。
傷付いた顔が忘れられない。


何度も何度もすがり付いてくれたジェジュンの言葉が忘れられない。

それでも私はジェジュンの手を振りほどいて

チャンミンの手を掴んだ。


ジェジュンの作ってくれた美味しいオムライスを食べた時に、ハッキリとわかってしまったの。

ジェジュンのオムライスより味も形も不格好なチャンミンのオムライスが愛おしかった。


チャンミンをこれ以上苦しめるのだけは嫌だった。

チャンミンが1人で食事する姿は想像したくなかった。

チャンミンの待つこの家に、帰りたいと思った。





チャンミン。

私は、あなたの傍にいてもいいのかな。



「……Aさん。
僕が必ずあなたを幸せにします」

「ん…。私もチャンミンを幸せにしたい」



あなたが私の手を離すその時まで。




ジェジュン、ありがとう。

私と出会ってくれて、ありがとう。

甘えさせてくれて、ありがとう。




ジェジュン、ごめんなさい。

私と出会ってしまって、ごめんなさい。

甘えてしまって、ごめんなさい。



幸せに。

この世の誰よりも幸せになって欲しい。



それが私の

たった一つの願いです。

離さない〜CMside→←愛を失うということ〜JJside

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