゜*。TAXI〜true love2。*°

信じるだけ〜JJside ページ34

卑怯な奴だと思われても構わない。

もうそんなことはどうでも良くて。

ただただ必死で。

どうしたらこの男からAを奪うことが出来るのか、そればかりを考えて。


そして最後の最後。

切り札として用意していたCDを、ヤツに渡した。

このCDは、きっとAには届かないだろう。
でも、それでも良かった。

だってこの男は間違いなくコレを聴くから。

Aを想いながら俺が作ったこの曲を聴いて、知って欲しかったから。

俺ほどAを愛してる男はいないってことを。



待ちわびていたAから連絡があったのは、その日の夜だった。


「A！？｣

1回のコールで直ぐに出た俺の耳に

「ジェジュン」

愛しくて堪らない彼女の声。



「連絡待ってたんだ！A、大丈夫！？！？｣

「…大丈夫だよ。ねぇ、ジェジュン｣

「なに？｣

「ありがとう」

「…何が？」

「CD。受け取ったよ。ちゃんと聴いたよ。
ジェジュンの気持ちも…凄く嬉しかった｣



ドキン、とした。


アイツがあのCDをAに渡してくれたことに驚いたのと同時に、照れたように話すAの声がどこか冷静で

無性に俺の不安をかき立てる。




「A、あの曲は本当の俺の気持ちを、｣

「ジェジュン、逢いたいの。
明日…ジェジュンの家に行ってもいいかな…？｣


「え？」



今

逢いたいって

そう言った？


それって

それってもしかして



「もちろん！俺も逢いたい！あ、なんなら今から迎えに、｣

「ううん、大丈夫。明日1人で行くから。逢って、ジェジュンに伝えたいことがあるの｣



伝えたいこと……？


それは

俺にとっていい話…？それとも…


いや、今はいい。


「わかった、待ってる！！ずっと待ってるっから！！」


逢いたいと言ってくれた。

嬉しかったと言ってくれた。


今は彼女のその言葉を

俺は、信じる。

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