゜*。TAXI〜true love2。*°

本当の気持ち ページ17

一人称が「僕」から「俺」に変わったチャンミンが、私に跨り、私の自由を奪っていく。


「チャンミンダメだよ…っ、やめて…っ！」

「うるさい。嫌なら逃げればいい」



押さえられた手首は痛いし、言葉は乱暴で冷たいのに


「ん、ん…っ」


私に触れる唇が甘くて優しくて、泣きたくなる。

全然解けない腕は、彼の本気を物語ってる。
挟み込まれた両脚は、逃げないで、って言われているみたい。



「…もっと本気で嫌がって！もっと本気で逃げてください！｣


……チャンミン。

チャンミン。


無理だよ。

そんなの到底無理。

あなたの瞳から落ちる綺麗な涙を前に

あなたから離れることなんて

私には出来ない。




「ごめんなさい…っ、ごめんなさいチャンミン…っ、｣


どうして別れられると思ったんだろう。
どうして手放せると思ったんだろう。

私の両手を押さえるチャンミンの力が弱まって

私の首に顔を埋めて息を殺すように泣くチャンミンを
力一杯抱き締めた。



「チャンミン…っ、チャンミンっ…｣


ダメなのに。
私が傍にいたらダメなのに。

これからだって私はきっとあなたを苦しめるだけなのに。



「私…っ、私、チャンミンが好き…っ、チャンミンの傍にいたいよ…っ｣


はっきり気付いてしまった自分の気持ちをもう誤魔化せなかった。



「Aさん…っ、｣


愛おしくて愛おしくて。

ぎゅうっとチャンミンを抱き締めたら、それよりも強く抱き締め返された身体。



「ごめんなさい…Aさん。
手放してあげられなくてごめん…｣



そんなこと言わないで。

手放してあげられなかったのはむしろ私の方だから。



「必ず幸せにします。必ず俺が幸せにするから……、
だから俺から離れていかないで…｣



これが正しい答えかはわからない。

いつか、私を手放さなかったことをあなたが後悔するんじゃないかって、怯えて暮らすことになるのかもしれないけど



「ん、行かない……、チャンミンの傍にいさせて…｣




もう引き返せない。

これが私の本心だから……。

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