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右斜め奥のビルの屋上で、きらりと光る何かが見えた。
私は咄嗟に走り出そうとした。
──突如、ドアチャイムが軽快に鳴る。
気が抜けるような鐘の音に、私はまるで時間が静止したように、立ち止まった。
誰だろう。こんな時に、なんで？
今、私の腕は血だらけで、右手にはコルトパイソンが握られたままだ。……どうしたらいい？ それを答えてくれる人は、もうこの世にはいない。
その時、マサの声が蘇った。酒を飲んで面倒くさくなった時の、あの声で。
�爐發群兇�死んだら、まずは平静を装え。この店のもんや、お前自身を奪われないためにだ��
私はコルトパイソンを腰に差し、傍にあったタオルで腕の血をごしごしと拭き取った。
�爐修譴�ら、信用出来るやつを見極めるんだ。なあに、お前なら目を見りゃ分かるさ��
私はカウンターに立った。
その客は、裏社会の人間特有の濃い影を纏っていた。
そのくせやけに洒落ている。高級ブランドのスーツと帽子をセットで合わせ、シャツは気品あるワインレッド。
いっぱいの髭を蓄えた顔はどちらかというと土気色で、あまり調子が良さそうには見えない。
数秒の不思議な間のあと、彼が口を開いた。
「おやっさんに用がある」
それは流暢な日本語で、私は面食らった。その声は心地よく、それでいて少し危険を感じさせる深い低音だった。
私は油断すまいと唾を飲み、答えた。
『悪いけど、今出払ってるよ』
男は息をつくと、背広の胸元に手を入れた。
反射的に、私は血塗れのコルトパイソンをその男に向かって突きつけた。
銃口を人に向けるのは初めてだった。
指が震えて、カタカタと銃がなる。クソ、と私は口の中で悪態ついた。
私は震えているというのに、丸腰の男はまったく動じず、胸ポケットに手を突っ込んだままだ。
「そんなに怯えてちゃ、そいつが可哀想だ」
男が手を動かす。私は叫んだ。
『動くな！』
「落ち着けよ」
彼は無理難題を言うと、ゆっくりと手を出した。そこには、彼のシャツと同じ、ワインレッドのハンカチが握られていた。
「使いな」
一体、なんのことだろう。怪訝に眉を寄せていると、突然手元から銃の感触がなくなった。
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O(プロフ) - 結音さん» ありがとうございます、とても嬉しいです😭 ハリポタ以外作っては消しての繰り返しですが、何卒よろしくお願いします… (3月27日 22時) (
レス) @page5 id: 4c954a2b54 (このIDを非表示/違反報告)
結音(プロフ) - Oさんとは趣味が合うのか私が好きな人ばかり書いてくれるのでいつも楽しみに見てます。hpの方も楽しみにしてます！ (3月25日 7時) (レス) id: 11d763baed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2024年3月25日 1時
