第３章 ガンマンの土産物 ページ18
私はごくりと唾を飲み、紙袋をそっと開けた。
トップス、ニット、デニムにブーツ──名だたる高級ブランドのアイテムたち。黒のシックなデザインや、濃いカラーの柄物まで幅が広い。その上、どれも私の好みなのが恐ろしい。
『エスパーかよ……』
次元さんは天国から送られてきた使者だったりして。 いや、にしては物騒か。
いちいち息を呑んだり叫んだりしながら、私はすべての紙袋を開けた。きっとこの商品たちの総額は、私の年収を優に超えているはずだ。
『ガンマンって儲かんのかな』
強ければな、と返事をする次元さんを想像して笑いかけ、はっとする。私は首を振り、紙袋から林檎を取り出して齧った。
とはいえ、これだけのことをしてもらってお礼のひとつもしないのは、私のプライドが許さない。
紙袋には「宿から出るな」──私はピンときた。すぐに次元さんコレクションから一番のお気に入りたちに着替えて、ロビーに降りる。
そこには昨日と同じ、この世の退屈を煮詰めたような表情の店主がいた。
にやりと笑って、彼に近づく。私に気づいた店主が、眠りから冷めたようにぽかんと口を開ける。
私はめいいっぱい魅力的に微笑んだ。
『ねえ、私と賭けしない？』
Side Jigen
俺がアジトの扉を抜けるなり、ルパンは言った。
「遅刻だぜ、次元大介？」
奴の手元には奴自身が世界中から収集した今回の獲物──リトル・コメットの情報が載った資料があった。それをひらひらと掲げながら、奴はソファに寝そべっている。
広いテーブルの上には地図や構内図、獲物に関連した写真などが散らばっていた。
「お前が時間を守らねえなんて珍しいな？」
さすが、こいつは馴れ馴れしいのが専売特許だ。俺はひとりがけのソファに腰掛けた。
「お前は遅れすぎだ」
「そうだったか？」
「よく言うぜ」
奴のにやけ顔に吐き捨てて、煙草に火をつける。
「──で、なんで遅れた？ まさか女じゃねえだろうな」
相変わらず鼻が利く野郎だな。
「ただの野暮用だ」
「へえ」
奴は意味深に言って、テーブルの上にあったワイングラスを口に運んだ。
俺は立ち上がると、ルパンに近づいた。不思議そうに俺を見上げるルパンに、胸ポケットから紙切れを取り出して手渡す。
「なんだ？ こいつは」
「さあな」
それをお前に探しだして欲しいのさ──そう言う前に奴は察したのか、紙を室内灯に翳すと口角を釣りあげた。
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O(プロフ) - 結音さん» ありがとうございます、とても嬉しいです😭 ハリポタ以外作っては消しての繰り返しですが、何卒よろしくお願いします… (3月27日 22時) (
レス) @page5 id: 4c954a2b54 (このIDを非表示/違反報告)
結音(プロフ) - Oさんとは趣味が合うのか私が好きな人ばかり書いてくれるのでいつも楽しみに見てます。hpの方も楽しみにしてます！ (3月25日 7時) (レス) id: 11d763baed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2024年3月25日 1時
