しえんと くあれんた い くあとろ ページ46
机の上に代金を置き、早足で立ち去ろうとする。
シ「A」
『シリウス』
振り返らないまま呟くと、彼は私の手を離した。
私はそれを確認してから、カフェを出た。からんからんと乾いた鈴の音が聞こえた。
『あれ？クィリナス』
ク「話し込んでたようで」
『ホグワーツに行ったままでよかったのに』
ク「貴女の傍に居るのが務めですから」
私は笑うと、彼の隣で歩き出した。
『ところで、その務めを早速無視してもらってもいい？』
ク「いつになく嫌な予感ですね」
彼は表情を少しも変えない。私は苦笑いをした。
『私の生い立ちを調べてほしいの。それも確実な』
ク「生い立ち？それはダンブルドアの作り話で───いや、貴女まさか」
『そう、そのまさか』
やっとクィリナスが表情を変えた。私はにやりと笑って人差し指を立てた。
『私は例のあの人のお傍に行きたいわけだけど、スリザリンの末裔と言うだけなら彼もまたそう。純血で、スリザリンという姓を名乗っても間違いではないという証拠が欲しいんだよ』
ク「それで私にわざわざパリまでいけと？」
『嫌？』
ク「嫌と言ってもやらせる癖に」
私はからっと洒脱に笑った。クィリナスだってやれやれと満更でもない顔をするから悪いのだ。
『何日くらいで帰ってこれそう？』
ク「そう長くはかからないでしょう。それと、家系図を覗くには委任状が必要ですが」
『うん。今夜渡すよ』
ク「了解しました」
ホグワーツ城が見えてきたが、私達はゆっくりと歩いたままだった。
─────────
日曜日の朝、朝食を食べ終えると、私達はパーシーに手紙を出した。そのあとの予定は、ドビーに新しい靴下を渡すために厨房にお出かけだ。
屋敷しもべ妖精達は、私達を迎えるなりはしゃいで挨拶をした。
ドビーはハリーから靴下を貰って、恍惚としているようだった。
ド「ハリーポッターはドビーに優しすぎます！」
ハリー「でも、君のおかげで僕は本当に命拾いしたんだ」
その隣でエクレアを頬張るロンと私。ハーマイオニーはそれを呆れてみていた。
ハー「ねえ、ウィンキーはどこ？」
ドビー「暖炉の前でございます、お嬢さま」
私たちはそちらに目を向けた。ひっくひっくとしゃっくりをあげているウィンキーが見えた。
『バタービール、下僕妖精には度数が強すぎたと思うけど』
私は彼女の持っていたジョッキをひょいと奪った。
『うん、美味い』
座って飲む私を、ハリーは見もせずにぐいとどけて言った。
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ユーレイ(プロフ) - 羽音さん» メッセージ、イラストともにありがとうございます！楽しく拝見させてもらいました。自分の小説からイラストまで書いていただけるなんて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年6月1日 23時) (
レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - mikittyさん» 素敵なコメントにこちらこそニヤニヤしました……この焦れったい感じが書くのが楽しくて、どうしても長引かせてしまいます笑 (2019年6月1日 23時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
羽音(プロフ) - メッセージに書いていたURLです！→http://uranai.nosv.org/img/user/data/0/9/a/09ad2710a06e0237527c6512112dc071.png (2019年5月31日 21時) (レス) id: d257d5a444 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新されているとニヤニヤしちゃうくらいに好きです…お互いに焦れったい感じがたまりません！セブルスという人物をとても細かく丁寧に描いている素晴らしい作品です。これからも楽しみにしています！ (2019年5月31日 1時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - パンジーさん» 空きコマのお供にしてもらえてよかったです！！(！？) さらに面白いと思って貰えるような展開にできたらと思ってます。楽しいコメントありがとうございました！ (2019年5月30日 21時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2018年10月23日 12時
