【男主】腐男子くんは困らない【ky】 (ページ3)

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「無理！！」

言われる前に断ったらえーーー！と不満大爆発なAの声が響いた。

「どうして！レトルトさんともう少し、もう少しでいいから絡み増やしてよ！」
「いや四人実況だし一人にしぼって話し掛けてたらおかしいだろ！」
「じゃあ二人で実況してよ！」
「無茶苦茶だなおい！」

縋るようにキヨの服を掴み、お願いお願いと軽く引っ張る。
お得意のお強請りにキヨは大きく、本当に大きく溜息をついた。

「次の同人誌のネタが決まらないからって俺に何でもかんでも頼むなよ」
「だって…」
「そもそも俺が自分絡みのもん書いてても許してる時点でそれ以上のもんは無ぇだろ」

それは本当にその通り。キヨはどんな気持ちで自分が描かれている漫画を販売してる幼馴染みを近くで見ているのだろうか。
そうだよね…としょんぼり肩を落とすAにキヨは頭をぽんぽんと撫でてやる。

「でも、でもキヨくん」
「あ？」
「お願いっ…！」

いつもの重たい瓶底眼鏡を外し、キラッキラなお目目を晒してキヨのことを見上げる。

「しょおがねぇなあああああ」

即答である。
キヨはこの顔にすこぶる弱かった。