北ノ谷の勝負神 ページ4
(清乃side)
私には双子の兄がいます。と言っても私は母親似、兄は父親似でした。私の家系は代々勝負を取り締まる神だそうで後継者をつくるときは必ず双子でなければならなかったそうです。しかも、男女じゃなければなりませんでした。普通は後継者をつくるときは特殊な陣を描いてその上に供物や男女を分ける着物、さらに男神と女神の血を捧げるのですが双子をつくる場合、二つの特殊な陣を重ねるように描き供物、二人分の着物、血、そして賽を捧げるんです。
こうして、双子としてこの世に生を受けた私は修行を重ねて勝利神になりました。因みに兄は修行を重ねて違反者や怠慢者に敗北をもたらす審判神になりました。
北ノ谷の勝負神。私の先祖は皆そう呼ばれてきたそうです。北ノ谷の勝負神は代々かなりの力を持っていたようで恨みをよく買っていたそうです。私の父も恨みに狂った妖によって殺されました。私の母は父が死んでも泣き言ひとつ言わないで私達兄妹に色々と教えてくれました。
父が死んで、母も徐々に力を失いそれでも私達三人は幸せでした。………………………二十年前までは。
それは突然でした。何十匹という数の妖が私達家族を襲いました。兄は母を連れて安全な場所に逃げました。私はできるだけ兄と母が遠くに逃げれるように時間稼ぎをしました。でも、妖達は恨み、妬み、怒りに狂っていたためなかなか倒れません。そしてついに、私は倒れてしまいました。
私の上にどんどん妖が覆い被さってきます。妖力が吸いとられ意識が遠退いていきました。兄と母はちゃんと安全な場所に逃げることができたのだろうか。そう思った最後に私の意識は途切れました。
そして、気づいたらそこに居ました。体は小さく何が起こったのか解りませんでした。そして気づきました。……………自分が誰なのかも解らない、と。私は泣きました。誰も気づいてくれませんでした。泣き続けて二十年、ようやく誰かが気づいてくれました。それは、妖が見える"天野ケータ"と名乗る少年でした。
そして、今、思い出しました。私は、北ノ谷の勝負神の一人であること。私は、母と兄三人で暮らしていたこと。二十年前、妖に襲われたことを。
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からくりピ工口 - 続きがとても気になります｡がんばってください (2017年2月26日 21時) (
レス) id: 46579c6b9f (このIDを非表示/違反報告)
長靴を履いた猫(プロフ) - ありがとうございます！文才が無く駄作ではありますが精一杯がんばります！ (2016年8月29日 23時) (レス) id: d2708a0321 (このIDを非表示/違反報告)
猫まるる(プロフ) - おぉ！あらすじ、設定を見ました！とても、続きが気になります！頑張って下さいｯ!!!この作品の一作目、今から見に行きます！ (2016年8月29日 21時) (レス) id: 65f7a09d9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長靴を履いた猫 | 作成日時：2016年8月28日 23時
