獄都事変短編集

※引き上げる 平腹 ページ6

※生理のお話。前半暗め。獄卒には生理がないと考えてるお方はお戻りください。



自分ほんとクズ。獄卒とはいえ所詮は女で力も体力もない。任せられる任務は誰にでもできる情報収集がほとんど。後は笑っているだけの役立たず。

「綺麗な空。ムカつく」

大きな窓のサッシに立つ。生理の時にくるこの感情、飛び降りて死んでしまい。でもいざ飛び降りようとするとできなくて、生きたいと思ってしまう。私はわがままだ。まあ死んでも皮肉なことに生き返ってしまうが。

「あああ！Aだあ！何してんの？」
「…平腹君」
「そんなとこにいたら危ないぞお！」

当然だが私の気持ちを知らない彼はいつも通りヘラヘラしている。それがなんだか無性にイラつく。

「大丈夫。それより私に構わないで田噛君のとこにでも行ったら？」
「俺はAと一緒にいたいなあ！」

そう言うと彼は私の隣へ来た。

「うおおお！綺麗な景色だな！」
「…なんで構うの」
「だってお前元気ねえじゃん！いつもみたいに笑ってくれよ！！！」
「私みたいな役立たずが笑ってても目障りなだけでしょ」

平腹君にイラついてキツイ口調で喋ってしまう。酷い奴だ。こんな汚い私を他人に見られたくない。そんな気持ちが涙となって溢れてくる。平腹君が綺麗だと言った景色は、私には霞んで見えない。

「えええっ！？どうしたA！ほら笑えって！！！」

そう言って平腹君は変顔をするが、今は全く笑うことができない。

「だ、から！私が笑、ったってっ、何、の意味もっ、ない…っ戦い、が苦っ、手だし、足手、まと、いだ、しっ…！」

きっと皆、使えない私にムカついてる。そう続けようとするも、泣いているせいでうまく喋れない。

「…俺、Aが笑ってるだけで元気出るんだあ！」
「…ぅっえっ？」
「なんか知らないけど、Aが笑ってるだけで任務頑張れるから俺の役にたってる！あ、あと肋角さんがAの情報は誰よりも正確で精密だってよくほめてるぜ！Aは自覚ないかもしれないけど皆を支えてる、お前がいなくなったらすげー大変なんじゃないかってくらい！だから、自信持っていんだぜ！！！」

そう言って私の頭を乱雑に撫でた彼のおかげで、私の中にあったわだかまりがすっと消えた気がした。



【後書き】
生理って色々辛いですよね。キャラ名と症状、もしあればしてほしい対処をコメしてくれれば小説書きます。皆さんの力になれればと思ってます。

成長 平腹→←※月に一度の痛み→楽しみ 佐疫

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