翡翠【緑】 (ページ18)

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目「Aさん、今頃メイク中っすかね。」

佐「楽しみで仕方ないでしょ～阿部ちゃん。」

控室から全く出ようとしないこの2人。この関係性は目黒を後輩として迎え入れてから変わることはなかった。

阿「…めちゃくちゃ落ち着かない。」

目「珍しいっすよね、いつも冷静なのに。」

佐「嫁目の前にするとそうも行かないのよ～。目黒くんには分からない世界だよね。」

目「佐久間さん結婚してないじゃないすか。」

まあでも、今この状況下で落ち着いていられない俺には必要な2人だった。
ウェディングドレスなんて着せたらどれだけ綺麗なんだろうか、と考えたあの日が遠い昔のようで。

懐かしくて、それが心地良い。

『新郎様、新婦様のご用意が出来ました。』

佐「ついにご対面じゃ～ん！楽しみだね！阿部ちゃん！」

目「佐久間さん、俺たちが見るのは後ですよ。ほら。」

え～と言いながら引っ張って控え室を出る彼らを他所に、俺はAの元へ向かった。

彼女が待つ部屋から出て来たのは、友達の涼ちゃんとその彼氏の渡辺さん。

涼「結婚、おめでとう。A本当に綺麗だよ～。あ、この人は見てないから安心してね。」

翔「おめでとうございます、後で楽しみにしてます。」

「ありがとうございます、行ってくるよ。」

そして俺は、そのドアを開けた。

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