翡翠【緑】 (ページ17)

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「辰哉に結婚してるの？って聞かれたからね。してないけど、今私には大切な人がいてその人と今後そうなれたらいいなって思ってるって。」

阿「A…ごめんね。」

知らなかった、彼女がそう思ってくれて居たこと。
同窓会の日まで、そういう話が出てもいつもはぐらかして。

自分が傷付かないようなして居ただけだった。きっと俺たちはもうこれで終わりだと思って居たから。

でも、俺が幸せにしていいんだよね？
ううん、俺が幸せにするべきなんだ。

阿「…俺さ、3年前から決めてたんだ。同窓会でAがちゃんと元彼に会えたら別れようって。それが、Aの幸せのためだと思ってた。

だから同棲や結婚の話は避けてきたし、未練がましくならないように仕事に没頭して、嫌われようと思ってた。」

「そう、だったんだ…。」

阿「この日を最後に俺達は終わるって決め付けてたんだよね。でも俺、やっぱりAのこと諦められなくて。好きで好きで仕方なくてさ。

…幸せを願うんじゃなくて、自分が幸せにしてやりたいって思ったんだ。」

好きだよ、その綺麗な泣き顔が。
好きだよ、その優しい笑顔が。

これからもそうやって、俺の隣にいてくれる？

阿「結婚、してくれませんか。」

「…はい。」

そう言って笑う君は、世界で一番美しかった。

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