子役上がりの現役女子高生声優

事前の説明は大事だよね ページ11

中島｢おいくるー｣

貴方｢ん？｣

中島｢この声優イベント、ゲスト出演オファー来てんだけどOKしていいよね｣

貴方｢…待って、イベント？｣

中島｢うん。初イベント｣

貴方｢オファー受けた？｣

中島｢うん｣

貴方｢なんのイベント？｣

中島｢大人気声優大集合！フリートークイベント！｣

貴方｢……一言言ってよ｣

中島｢今気付いた｣

貴方｢で？いつ？｣

中島｢明日｣

貴方｢今本気でなかじーのこと恨んだ。誰が出るの？｣

中島｢さぁ？行ってからのお楽しみ｣

貴方｢なかじー！｣

中島｢というわけで明日よろしく〜朝８時迎えいくから｣

貴方｢なかじー…｣

────────────

貴方｢うわああああああああああ｣

来ちゃったよ〜なんとかアリーナ！

ゲストが来ることはみんな知ってるけどそれに
私が出るのはスタッフさんしか知らないらしい。

だから普段は入れないところでスタンバイ。
その時点でもう泣きそう。

ああああああめちゃくちゃ緊張。胃が痛い。

スタッフ｢大丈夫ですか？｣

貴方｢大丈夫に見えますか！？｣

スタッフ｢見えます！｣

貴方｢なら大丈夫だと思います！｣

スタッフ｢はい！｣

中島｢意味わからん｣

貴方｢なかじー胃薬持ってない？｣

中島｢胃痛っておやじか。持ってねーよ｣

スタッフ｢そろそろステージ袖にスタンバイします。
司会の吉田さんが呼んだら出て下さい｣

貴方｢はははははははい｣

中島｢ぶっ倒れんなよー｣

貴方｢え、なかじーあっち来てくれないの？｣

中島｢ん？どっちでもいいけど俺あっち行っても
やることないからここで待ってよっかなって｣

貴方｢やだ！来て！｣

中島｢しょうがねーな。ほら、早く行くぞ｣

貴方｢ありがとうなかじー大好き｣

中島｢これだからモテる男は辛いぜ｣

貴方｢言ってればぁー？｣

スタッフ｢ではこちらで待機してて下さいね｣

貴方｢はいっ｣

心臓の音が直に聞こえてる感じがする。

中島｢…緊張してる？｣

貴方｢当たり前でしょーが……｣

中島｢大丈夫だ。何か起きても周りがフォローしてくれる。
ゆっくり深呼吸して胸張ってけ。

初めてが何だ。芸歴16年ってのは嘘じゃねーだろ？｣

貴方｢うん。高校生舐めんなよ！
…ありがとうなかじー。ちょっと落ち着いた｣

司会｢ではシークレットゲストの登場です！｣

中島｢そーか。じゃ、思いっきり楽しんでこい！｣

貴方｢うん！｣

優しく背中を押され、輝くステージに向かう。

もうどうにでもなれ！

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