【ヒロアカ】遥かなる時の中 second (ページ7)

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演習試験当日。
沢山の先生がいる中、相澤先生が代表して開始を宣言する。
「この試験でもちろん赤点はある。林間合宿行きたけりゃみっともねえヘマはするなよ」

隣の耳郎さんが先生の数を数えている。8人いるらしい。

「諸君なら事前に情報仕入れて何するか薄々わかってるとは思うが……」
何だが相澤先生の首もとがモゾモゾと動いている。

そんな事を気にも止めない上鳴君と芦戸さんはやる気満々だ。

すると、相澤先生の首から校長先生が飛び出てきた。

「残念!!諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ！」

校長先生の言葉に、芦戸さんと上鳴君は動きを止める。

「変更って……」

校長先生は相澤先生から降りて説明をする。

「これからは、対人戦闘・活動を見据えた、より実践に近い教えを重視するのさ！」

対ロボの試験では、確かに実戦に使えるか分からない。

「というわけで……諸君らにはこれからチームアップでここにいる教師1人と戦闘を行ってもらう！」

(聞いてた話と違うし、先生に勝てるのか)

校長先生曰く、ペアの組み合わせや対戦する教師は決まっているらしい。

「動きの傾向や成績、親密度……諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから発表してくぞ」

そうして、相澤先生は発表していくが、ここで時風は思ってしまった。
(あれ、このクラスだと1人余る気が……)

相澤先生が次々に発表していくと、案の定時風だけが残った。

「時風には特別講師を呼んだ」

「良いかい時風少女、くれぐれも粗相のないようにな！」

誰と戦うことになるのか未だに分からない時風は、オールマイト先生の焦りように首を傾げた。

「それぞれステージを用意してある。11組一斉スタートだ。試験の概要については各々の対戦相手から説明される。移動は学内バスだ。時間が勿体ない、速やかに乗れ」

指定されたバスに乗り込む時風は、職場体験の時にエンデヴァーと共に脳無を倒していた老人ヒーローがいる事に驚いた。

「え、グラントリノさん」

「はよこっちこい」

杖で指示してくるグラントリノさんに従って向き合うように座る時風。

動き出したバスの中、グラントリノさんはバスの向かう先の景色を見るだけ。

「……あの、何でグラントリノさんが特別講師なんですか？」

「この試験の意味を今一度思い出せ」

「……実戦に近い教え」

「職場体験の時、お前さんの個性をエンデヴァーから聞いた。どっちのスピードが上か試そうか？」

グラントリノさんは意地悪な顔をしていた。