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夕飯の片付けをしている芦戸さん達。
未だにテーブルに置かれた皿を何枚か重ねてシンクへと運ぶ時風。
「……やっぱり手伝おうか？」
そう尋ねる時風だが、芦戸さんは泡と共に汚れを落としながら大丈夫だと振る舞う。
「あ、それよりさ！」
何かを思い出した芦戸さんにより水飛沫が上がる。
そのまま会話を続ける。
「ハルちゃんの部屋ってどんな感じ？」
「え、そんなに変わってないよ。家具をちょっと移動させただけ」
「へー、あまりこだわりとかない感じ？」
「……うん。今まで兄さんと2人で部屋使ってたから、どうしたら良いのか分かんなくて」
こだわりがないのは本当だが、センスがないのも事実。
そんな時風の言葉には、芦戸さんは勢いよく提案してきた。
片付けを終えて、ソファに座っている男子達へと歩み寄る芦戸さん達。
早速提案する芦戸さんに、一瞬固まる男子達。
早速、制止する緑谷君の部屋へと向かう芦戸さん達。
「お邪魔します」
ズケズケと部屋に入る芦戸さんと麗日さんの後でゆっくり入る時風。
麗日さんの言う通り、オールマイトのグッズが沢山置かれている。
芦戸さんや葉隠さんがはしゃいでいる横で、無言で見渡す時風。
「時風さん、そんなまじまじと見ないで……」
「すごくオールマイト好きなんだね」
若干引いている自覚があった時風は上手く笑えていただろうか。
「フン、下らん……」
緑谷君の部屋を出ると、常闇君が自室のドアを塞ぐように立っていた。
芦戸さんと葉隠さんによって開け放たれた部屋は、見られたくなかったようで落ち込んでいる。
(真っ暗……)
緑谷君が剣を見つけて小さく呟くのを聴くしかなかった時風。
続いて青山君の部屋へ。
「まぶしい!!」
入って早々に部屋の中がキラキラ輝いていて、思わず時風も目を瞑ってしまった。
青山君は自慢げに笑う。
でも何故か、芦戸さんや葉隠さんは想定内だったらしく、そこまで盛り上がらなかった。
続いて同じ階の部屋は峰田君だ。
ドアから覗く峰田君本人の準備万端な様子に歩み寄ろうとする時風だが、何故か耳郎さんに手を引かれ、皆で3階へと移動し始める。
「え、耳郎さん、峰田君の部屋は？」
いいの？と尋ねる前に、「峰田の部屋はどうだっていい」と言いのける。
何故か納得してしまった時風は、そのまま手を引かれながら3階の部屋へと辿り着く。
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作者名：末崎時野 | 作成日時：2019年6月26日 12時
