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合宿3日目。
引き続き、個性を伸ばす訓練。
相澤先生は補習組を注意をしてる。どうやら前夜の補習のお陰で睡眠時間が足りないらしい。眠そうだ。
再度課題を言い渡す相澤先生は、近くで訓練している麗日さんと青山君へも同じ事を言い渡す。
「何をするにも原点を常に意識しとけ、向上ってのはそういうもんだ。何の為に汗かいて何の為にこうしてグチグチ言われるか、常に頭に置いておけ」
(原点……)
プカプカ空中に浮かぶ時風は、訓練を頑張ってる皆を見下ろす。
(皆、頑張ってる……やっぱり私も何か、やりたい)
時風が相澤先生の横へと移動すると、ピクシーボブが何やら発表をする。
「クラス対抗肝試しを決行するよ！しっかり訓練した後は、しっかり楽しい事がある！ザ！アメとムチ！」
肝試しとは何なのか、時風には分からなかった。
「兄さん……」
「ん、どうした時風」
「私への課題、あったりしない？」
時風の問いに、相澤先生は軽く考えた後、訓練中の皆から離れて言い渡す。
「お前の場合、個性は前に伸ばしたろ。それでも何かやりたいってなら、自分でその課題を見つけてみろ」
(自分で……？)
「まずはそうだな、このクラスの見本になったら分かるんじゃないか」
時風への課題について言い渡すと、戻っていく相澤先生。
(見本……って、どうしたら……)
考えるよりも、まずは行動だ。行動して、思って、考えて。そうして、学ぶ事、身に付く事が増えていく。
一心不乱に風を起こしていると、いつの間にか夕方になっていた。
今日の夕飯は肉じゃがのようだ。昨晩と同じように、張り切って材料を切っていた時風。
「誰か手の空いてる人、人参切ってもらっていいかな？」
大人数の為、材料が多い。じゃがいもを切っていた時風は、具材を切る手を休むことなく、近くの人にお願いをしてみる。すると、まな板と包丁を手にした爆豪君が現れて徐に人参を切っていく。
「爆豪君、包丁使うのウマ！意外やわ……!!」
驚いている麗日さんに、爆豪君は「包丁に上手い下手はない」と反論している。
(綺麗に揃ってるし、早いし……爆豪君すごい)
負けじと時風もじゃがいもを切っていく。
「おらっ、これも鍋に入れろや！」
隣では、ザルに切っていれた人参を鍋に移すよう伝える爆豪君。
こうして、出来上がった肉じゃがをおかずに、白米を平らげるクラスメイト。
「ごちそうさま！」
(肉じゃが、全部なくなってる)
時風は、綺麗になくなった皿を見つめて頬を緩める。
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作者名：末崎時野 | 作成日時：2019年6月26日 12時
