50 原作間のオリジナル ページ3
※原作、No.59と60の間のオリジナルです。
ある日、久し振りに家に帰ってきた兄さん。
「飯くってんのか」
「残りあるよ。食べる？」
「いや、いい」
夕飯を食べてる時に帰って来た兄さんは、食べないままお風呂場へと向かっていった。
兄さんがお風呂から上がったときには、時風も食器を片付けていた。
「兄さん、これ」
「ん」
めんどくさがってあまり食べようとしない兄さんには、簡単なおにぎりが効率いい。
兄さんと対面するように座る時風は、徐に兄さんに話を持ち掛ける。
「ねぇ兄さん」
「なんだ」
片手で持つおにぎりを咀嚼しながら、兄さんは時風に顔を向ける。
「ケータイ、ほしい」
「……お前も欲しくなったか」
耳郎さんからケータイについて教えてもらった上で、欲しくなってしまったケータイ。
事情を説明した後、兄さんは空になった皿を押し退けて時風と面を向かう。
「遥、もっと欲しい物言っていいんだぞ」
「あのね、耳郎さんと似たようなやつがいいの。いい？」
「今度の休み買いに行くか」
「うん！」
楽しみからとびきりの笑顔で頷いた時風は、押し退けられた皿を手に水道へ向かう。
微かに兄さんが笑った事を知らない。
「でね、耳郎さんと八百万さんと葉隠さん、蛙吹さんに芦戸さんに麗日さん……女子全員で写真撮ったの！ケータイって写真も撮れるんだね」
その日あったことを次々に話していく時風と、ひたすら相槌を打ちながら聞いてくれる兄さん。
お風呂を済ませた時風は、後は寝るだけなのだが、如何せん久し振りに兄さんが帰ってきた事で興奮をしている。中々眠気は来ない。
「写真も綺麗に撮れるケータイがいいなぁ」
「じゃあ最新機種にするか」
「……最新キシュ？」
「新しく発売されるケータイだ。その方が性能も良いし、写真も綺麗に撮れるぞ」
「写真綺麗に撮りたいんだろ？」と問い掛けてくる兄さんに、時風は微笑みながら頷く。
「おら、さっさと布団ん中入れ。そして寝ろ」
兄さんに言われるがままに布団を被る時風。
「んふふ……久し振りに一緒に寝るね」
「だなぁ。あー寝袋もいいが、布団もやっぱりいいな」
「んふふ。……そういえば、聞きたいことがあったの。リトルミネタって何？」
思い出したように兄さんに聞く時風。
「あ？リトルミネタ？んだそれ」
先週辺りにあったことを思い出しながら、説明する時風。
「……で、オイラのリトルミネタがバンザイ行為？って聞こえて」
「……忘れろ」
「え」
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作者名：末崎時野 | 作成日時：2019年6月26日 12時
