【ヒロアカ】遥かなる時の中 second (ページ18)

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起床時間が早いのか、前夜の夜更かしが悪かったのか、皆眠そうにしている。
そして時風もその1人。あくびをしている。

(早いよ兄さん……)

相澤先生の挨拶と共に、本格的な強化合宿が始まる。

「今合宿の目標は、全員の強化及びそれによる“仮免”の取得。具体的になりつつある敵意に立ち向かう為の準備だ、心して臨むように」

淡々と説明する相澤先生は、爆豪君に何かを投げる。
体力テストの時に使用したボール投げ。

「前回の……入学直後の記録は705.2m……どんだけ伸びてるかな」

相澤先生の言葉に、クラスメイトがはしゃぐ。

「おお！成長具合か！」
「この3か月色々濃かったからな！1kmとかいくんじゃねえの!?」
「いったれバクゴー！」

爆豪君は声援を無視しながら振りかぶる。
「くたばれ!!!」

(くたばれ……)

相澤先生は記録を提示する。

「709.6m」

(あまり伸びてない……)

他の皆も疑問に思ってるようだ。

「約3か月間様々な経験を経て、確かに君らは成長している。だがそれはあくまでも精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで、“個性”そのものは今見た通りでそこまで成長していない。だから――今日から君らの“個性”を伸ばす」

「死ぬほどキツイがくれぐれも……死なないように――……」と助言する相澤先生は本の少し笑ってる。

(うわ、やりたくない……)

相澤先生曰く、プッシーキャッツの4人によって管理されるらしい。
ラグドールの個性で情報を明確にして、ピクシーボブの個性鍛練に見合う場を形成させる。そして、マンダレイの個性で複数の人間へアドバイスをされるらしい。
虎については、時風もよく分からなかった。

「具体的にどのような事をするのですか?!」

飯田君は朝早くても通常通りだ。

「んー、じゃあ時風で説明する」

(へ？)

「こっちにこい時風」

言われるがままに相澤先生の隣へと移動する時風。

「こいつの場合、広範囲での気体を操作出来なかった。そこで、広い空き地で竜巻を起こさせて、徐々に全域を竜巻で覆っていく事で個性を伸ばした」

「なんでもいいから小さい風起こしてみろ」と言われて、腕を下から上へあげる動作で小さくて細い竜巻を2、3本起こさせる。

「おお……！」

「ちっちゃい竜巻だ……！」

「次に大きな風」と言われて上空を見上げながら、大きな竜巻を起こす。

「こんな感じだ」

説明を終えた相澤先生は、1人1人に課題とやるべき事を伝えていく。

(びっくりした……)

ヒヤヒヤした時風。