(完結)どうしても彼には敵わない【ars】 (ページ8)

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『大野先輩と同い年ですよね？』

「んーそう。怒ると怖いんだよ？」

昨日の続きを書いているらしい。

まだ背景だけだから何を描いているのかは分からないけどでも今キャンパスが緑なのだけは分かる。

昨日何を描いているのか尋ねたら、秘密って言われちゃった。

今度教えてあげるっても言われたからその日まで待とう。

「はい、これがそこにいる大野くんの作品。でこっちがそっちにいる男の作品ね。こっちは私の。」

そう言って２枚の絵と木の鳥を持ってきた。

『これは、鳥ですよね？』

木で作られた鳥は凛としていて恰好よかった。

「そう。去年の夏に私が作ったの。木を彫っていってね。」

『すごいですね…。』

「こっちは海の絵ね。これは去年の夏の大会に彼が出したやつでね、入賞したのよ？」

『入賞、！すごいですね。わぁ、綺麗です。』

「で、最後がこれね。大野くんの。」

大野先輩のは何となく見たことがある。

『これ…。』

「あ、覚えてた？」

突然隣から声がして驚いた。