(完結)どうしても彼には敵わない【ars】 (ページ6)

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次の日の放課後部活見学が始まった。

昨日大野先輩と帰った時、念押しされたんだ。

「サッカー部、行っちゃだめだからね。美術部に来ること。」

夕陽に照らされていつもより恰好よかったなぁ、なんて思い出してると、

「何考えてんのー？」

高校に入ってから仲良くなった彼女に声をかけられる。

『ふふ、ちょっとね。』

「何それ！彼氏？」

『秘密ー！』

「もう！あ、そうだ。今日皆でサッカー部見に行くの。一緒に行く？」

『私美術部行くから私抜きで行ってきて。』

「櫻井先輩、超恰好いいんだよ？いいの？」

『いいの。』

「じゃあ写真撮ってくるから楽しみにしてて！」

そう言って彼女は皆の元へ行ってしまった。

恰好いい先輩ってやっぱり櫻井先輩のことだったんだなぁ。

そう思いながら荷物を持って美術室へ向かう。