よんじゅーはち。 ページ2
クルーウェルside
「っとと…！すみませ…、っクルーウェル先生！」
明日の授業に使う薬草の準備のため、植物園を訪れた帰りだった。
前から勢いよく走ってきた仔犬…ブッチとぶつかりそうになった。
「まったく…前を見て歩け！」
「急いでて…あ！ちょっとクルーウェル先生いいっスかっ！？」
再び走り出そうとしたブッチが、俺に向き直る。
返事をする前に、何やら掲示板のようなサイトを開いたスマホ画面を見せてきた。
Aに関する下世話な話が大半を占めていたが、暫くスクロールしていくと、あの噂。
…そして、俺も見たことがなかった昔の新聞記事が貼られていた。
「っどうしてこれが…！！」
「アズール君が言ってた掲示板なんスけどっ、これレオナさんに報告しようと思って…っ！」
まさかの事態に頭が回らない。
働かない頭を無理矢理フル回転させて考える。
一連の事情は教師皆知っているが、まさかこんなものが出回るとは…
一刻も早く消させないと、とにかくこのまま学園長の元へ直行せねば。
「…このまま学園長に報告に行く。お前はキングスカラーの元へ行って説明してこい」
「っス！！」
短く返事をして走り去るブッチを見送って、そのまま学園長室へ向かった。
ーーーー
「…これはまずい事になりましたね…、非常にまずい」
学園長室で何をするでもなく呑気にティータイム中だった学園長。
しかし飛び込んで俺が突きつけた画面を見て、手を組んで静かにそう言った。
「これ、発信元を特定できないんですか？」
「イグニハイド生…、イデア・シュラウドくんなら可能かもしれません。一刻も早く彼に協力を仰いだ方がいいですね、私が伝えておきます。クルーウェル先生はAさんのケアをお願いできますか？とりあえず彼女はしばらく休ませた方が良い。他の先生にも伝達します」
「…わかりました」
学園長との話を終え、本来の目的地であった魔法薬学室に戻り、煙草に火を着けて煙を吸い込む。
もしA本人がこの事実を知ってしまったら。
話に聞いただけだが、極夜の国崩壊後の彼女は、それは悲惨な、辛い目にあったという。
入学当初、当時の事を言葉を詰まらせながら、体を震わせながら話した彼女の姿は、今でも鮮明に覚えている。
あんな彼女はもう見たくない。
どうにか彼女の知らない所で解決したい。
無性に彼女の笑顔が見たくなった。
殆ど吸わず短くなった煙草を消して、荷物を持って教員寮へ帰った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うち - 早く更新待ってます (2月3日 21時) (
レス) @page13 id: ea351afd6e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - えええ！？こんなところで終わる！？アニメとか漫画とかみたくめちゃくちゃ気になるとこで終わらせるじゃないですかあ！？、、、続き、続きをどうぞお恵みください((( (12月27日 10時) (レス) @page13 id: 89604d43a6 (このIDを非表示/違反報告)
アビスで分散(？) - めっちゃ気になるとこで終わってるやん…あれ作者さんもしかして確信犯？ (2023年3月25日 8時) (レス) @page13 id: 0614e5eebb (このIDを非表示/違反報告)
無地(プロフ) - ここで終わるか！！、って声出ちゃいました続きを何卒何卒…… (2023年3月25日 1時) (レス) @page13 id: 49d25cb47a (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - つづきいいい (2023年3月11日 11時) (レス) @page13 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みる
| 作成日時：2020年10月26日 14時
