小動物系少女の本性

に。 ページ4

Aside




帰りたくもない実家に帰省中、連絡をくれたラギー君から面白い話を聞いた。

異世界からやって来た少女が入学してきた、と。

その話を聞いて、女の子が入ったんだ、可愛い子だといいなあ、と、るんるんで帰ってきた。




…なのに。




「わあ…！A先輩初めまして！女の子同士、仲良くしてください！」




貼り付けたような笑顔、そして握手した手に意図的に込められた力。
会って数分、この子は私を嫌ってるんだと確信した。




『うん、よろしくねユウちゃんっ！』




あえて一番の笑顔で、ユウちゃんに返す。

そこからは互いの腹のうちを探るように、他愛ない話をしばらくした。

ちなみに、ラギー君から聞いていたユウちゃんの相棒のグリム君とやらは、クラスメイトとなにやらやらかして呼び出されているとか。




「…A先輩」

『なーに？』

「私、確信しました。…A先輩の事大っ嫌いです」




でしょうね。

でもまさか会って5分で言われるとは思わなかった。




『え…っと…私何かしちゃったかな…？』

「さっきから聞いてれば、私愛されてます、みたいな顔して先輩達の事話すし、通りすがりの先輩達にも愛想振り撒いてるし」

『そ、そんな…！！』

「何か文句でもあります？言い返せないですよね？」




馬鹿にしたような笑顔で言い放つユウちゃん。

そんな時ちょうど予鈴が鳴った。
それを聞いて、今まで並んで座っていたベンチから立ち上がる。
そのままユウちゃんの耳元に顔を寄せて、ユウちゃんにだけ聞こえるように問いかけた。




『…愛されてて何がいけないの？』

「っ！？」




まさかの返答に驚いてるユウちゃんから離れ、何もなかったように繕う。




『またねユウちゃん、これから仲良くしてねっ！』

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