検索窓
今日:82 hit、昨日:226 hit、合計:1,237,319 hit

さんじゅーご。 ページ37

翌日。

Aには、女性を襲うモンスターが昨晩学園内で発見された為、と、それらしい理由をつけて、今日は学校を休み、極力部屋から出るなと念押ししてきた。

また、噂の件については、学園長にも話は通した。

初めこそ驚いていたが、話終える頃には普段のちゃらけた様子とは真逆で、静かに「わかりました。…クルーウェル先生、任せましたよ」と返してきた学園長。
あの人の、何を考えているのか分からない声音を聞いて、少し背筋が凍った。



それにしても、問題の噂。

一年生では一日でかなり広まってしまったらしい。
すれ違った生徒がひそひそと話していたのが、ちらほら耳に入ってきた。

変に注意や否定をしても、却って怪しまれる。
苛立ちを抑えながら淡々と授業をこなし、その時はやってきた。








「失礼しまーす…、ジャックからクルーウェル先生が呼んでるって聞いたんですけど……あれ?レオナ先輩とラギー先輩?」

「…ああ、とりあえずそこへ座れ」



キングスカラーもブッチも今にも飛びかかりそうな程、殺気を放っている。
よく我慢して抑えている、と思うほどに。



「…Aについて、今一年の中で流れている噂、聞いたことはあるか?」

「噂?…あ、極夜の国?の王女だって…」

「…っアンタが…アンタが流したんスよね?その噂…!」




知らない顔をする監督生を、ブッチが拳を握りしめて、問い詰める。
キングスカラーも、グルルル…と低く唸っている。



「っ!?わ、私そんな噂流してないです!この世界の国名なんて、まだ全然知らないし…!」

「…とぼけてんじゃねェ、俺にAの国について教えろ、って来ただろうが…!」

「それはA先輩と仲良くなるためにですっ!どんなところから来てるのかなぁって…!!」




二人の殺気を浴びて尚も、自分ではない、知らない、と否定を続ける監督生。

正直、今までのことを踏まえれば、監督生が犯人なのはほぼ確実だと俺も思う。
…しかし、否定を続ける彼女を詰められるだけの物的証拠が、こちらには何一つない。

悔しい。
もどかしい。

Aが傷つくであろう事が分かっているのに、現時点では監督生を問い詰めることができない。



「……わかった。戻っていいぞ」

「クルーウェル先生…!!?」

「っクルーウェル、てめェ…!!」

「は、はい…」

さんじゅーろく。→←さんじゅーよん。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (722 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2420人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

青藍(プロフ) - 最初は国の王女だったと思うんですけど途中から女王になっているのは何故ですか?どちらが正しいのでしょうか、見間違いだったらすみません (2022年5月21日 1時) (レス) @page50 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 8ページ 本当の彼女自信 自信 ではなく 自身 ではないでしょうか? (2021年2月15日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
萌葱(プロフ) - みるさん» そうですね笑笑 (2020年10月26日 16時) (レス) id: aca7e42382 (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 乃亜さん» 処刑までのカウントダウン始まりました笑 (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - イヴさん» 果たして監督生はどうして情報をもってるのか…続編でお待ちしてます!! (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みる | 作成日時:2020年10月16日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。