・ ページ43
．
田中「…………A。」
私の名前を呼ぶ樹くんの声は、いつもより低くてゆっくり。
イケメンなお顔が勿体ないくらい歪んでいて、不安になった。
『……っ、ごめんなさい、っ、泣』
田中「あー違う違う違う！泣かせたいわけじゃないし謝んなくていいから！ね？ごめん、俺が悪かったね。ごめんごめん。ごめんね」
滝沢「風磨、大倉呼んできてあげて。それからでいいから、山田と一緒に俺の部屋に来てほしい。さっきのことで聞きたいことあるから。」
山田「わかりました。」
菊池「了解っす。樹、よろしく。」
田中「うん。」
周りにいてくれた先輩たちやスタッフさんも、気を遣ってくれたのか、部屋から出て行って、ここには樹くんと2人だけ。
田中「…………ごめん、守ってあげれなくて。」
『樹くんが謝ることじゃないです、悪くないもん、。』
田中「A、泣きたかったら泣いていいんだよ。1人で抱え込んで、辛かったっしょ？」
『っ、…』
田中「はい、おいで。よしよし。よくがんばったね。」
『うわぁぁぁん、！じゅりくんっ、じゅりくん、っ、』
田中「大丈夫、俺はここにいるよ。もう悪い奴いねえから」
私は、樹くんのシャツを思いっきり握りしめ、腕の中でずっと泣き続けた。
その間、ずっと樹くんは背中や頭を撫でてくれて、少しずつ怖くなくなって落ち着いてきた。
田中「大丈夫？」
『はい、……ごめんなさい、ご迷惑をおかけして、』
田中「迷惑じゃないよ。Aのこと、俺らは守りたいの。もっと自分を大事にして。ねっ？」
『はい、』
樹くんは、優しすぎる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 735人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しなもんろーる | 作成日時：2022年5月13日 21時
