当日の朝 ページ5
．
『………………やばいかも。』
前日のリハーサルは一瞬で終わり、ホテルに帰って寝て、同室の晶哉に叩き起されれば、もうコンサート当日だ。
朝が弱い私は、基本誰かと同じ部屋。
今回は部屋割りジャンケンを勝ち抜いた晶哉だ。
佐野「緊張してんの？」
『……うんー、めちゃくちゃしてる……最悪……』
佐野「もー心配症やねんから、うちの最年少は！」
『んー、前髪崩れる…………』
2人で歯磨きしながら鏡越しに目が合うと、晶哉が私の表情を見て、緊張しているのを悟ったようだ。
頭をわしゃわしゃ撫でられ、せっかく綺麗にした前髪が崩れそうなのがとてつもなく腹立たしい。
佐野「あ、おはようございます」
『ふわぁ…………おはよぉ、』
正門「あらお嬢さん、あんま寝れてへんのとちゃいます？」
送迎車に乗った瞬間気づく良くん、結成当初はまあまあ怖いからビビってたけど、今となってはこの健康観察助かるから感謝してる。
佐野「緊張してるらしいですよ？」
『まさや……！』
末澤「ん、A俺と小島の間な。佐野は後ろ。」
佐野「えー！！なんで！？」
誠也くんは反論する晶哉を放って私を自分とこじけんの間に座らせると、満足したようにニコニコ笑って座り直した。
小島「会場着くまで寝とき？肩貸したるで」
『……ありがと。こじけんの肩高いから誠也くんの肩使うわ。』
小島「あれ、Aさん？あれ、おーい？あ、アカン寝た。」
末澤「ごめんなこじけん。俺の方がいいらしいわ。」
正直に言うわ。
そこからの記憶は全くない。
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作者名：しなもんろーる | 作成日時：2022年5月13日 21時
