本番終わり ページ11
．
『つ“か”れ“た”ーーー！』
佐野「Aちゃん〜！」
『まさやぁぁ…』
ギュ
末澤「あ、電池切れた。」
佐野「Aちゃん？Aちゃーーーん」
草間「なぁ正門、今日のAの靴、ちょっと高すぎひん？」
正門「確かに。次からもうちょい低いのにしましょか。」
『いややぁヒールこの高さがいい…。』
福本「でも、これでライブやってしんどいのはAやで？」
『せやけどぉ…みんな高いねんから合わせたいやんか……』
だって私も身長高く見せたい。
ただでさえみんな高いのに、ブーツとか履かれたら私余計低なるやんか！！
末澤「まぁまぁ。A、充電できた？」
『うん、できた。晶哉ありがとぉ』
佐野「いーえー！」
末澤「ほな、行こか。ちょっと出てくるわ。」
正門「はーい。」
どうやら、誠也くんはほんまについて来てくれるらしい。
疲れたから1人で行けとか言われたらどないしよって思ってた。
『………………ふぅ、』
スノストさんの楽屋の前で深呼吸すると、心臓がバクバク言い始める。
トラジャさんは別の楽屋にいるらしい。
コンコンコン
「はぁーい」
意を決してノックすると、阿部くんと思われる人の声がして、ゆっくりドアを開けて中に入る。
『失礼します……』
深澤「あれ、Aちゃんと末澤くん」
阿部「誰かに用事？」
『あ、えっと、あの、……』
向井「あれっ！Aやん！どうしたん？」
なかなか言えずに困っていると、後ろの方から聞こえた、聞き慣れた声。
声の方に振り向くと、ちゅーしそうな勢いでやってくる康ちゃんがいた。
『っ、……こっ、こーちゃぁぁぁぁん、！』
向井「おぉ！？待って待ってなんで泣いてるん！？末になんかされた！？」
『ちっ、違くてっ、グスッ…ふぇ、…』
おめでとう。
たったその一言が喉に何かつっかえたみたいに言えへんくて、ボロボロ涙が溢れてくる。
スノストさんたちびっくりしてるけど、涙は止まらへんくて、ずーっとしゃくりあげる。
…………どうやって言おうか。
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作者名：しなもんろーる | 作成日時：2022年5月13日 21時
