メリークリスマス 末澤Side ページ6
．
〜♪♪
「………さっむ。」
午前7時。
ハンズフリーの天井から流れるクリスマスソングに誘われて目を覚ます。
暖房は付いていても、部屋が大きすぎて普通に寒い。
ふと隣を見ると、ジェラピケのモコモコパジャマを着て、スースーと可愛い寝息を立てて爆睡中のA。
「…っふ……かーわい…」
ぷにぷにのほっぺたをツンツンすると、軽く身じろぎしてまた眠りにつく。
写真を撮って起き上がり、掛け布団からはみ出した腕を収めようとして、左腕の傷が目に入った。
丁度、Aだけが東京に行っていたあの日、ストーカーに襲われて出来てしまった傷。
細い腕に痛々しい痕が残っていて、見かける度に自分の不甲斐なさを感じて辛くなる。
「…………守れへんくてごめんな、」
傷痕が少しでも薄くなりますように、と願いを込めて傷痕に軽くキスをしたあと、ベッドの端に投げ出してある毛布をかけ直した。
「…よっしゃ…そろそろ準備しよか…。」
クリスマスの朝は早い。
色んな人から貰ったクリスマスプレゼントを隠し場所から出し、リビングのツリーの下に並べていく。
50以上もあるプレゼントを置き終わり軽く朝ごはんを作ると、もう8時。
そろそろ眠り姫を起こすべく、また部屋に戻る。
いつのまにか毛布の中に潜り込んだAは、ドアからは全く見えへん。
「A〜？朝やで。」
『…んんん…』
……全く起きる気配なし。
まぁ可愛いし今日オフやから全然文句はないねんけど。
隣に寝転がってAの頭を撫でながらじーっと眺めてみれば、何かを察知したのか、うっすら目を開けた。
『…んっ……せーや…くん…？』
「ん、そやで。おはよ。」
『おあよ…。』
寝起きでふわふわしているAを見て、どんどん顔が緩んでいく。
今メンバーがここにいたら、確実にキモイと言われてんねやろな。
いや、一緒にニヤける…？
『せやくん、ぎゅ、……』
「はいはい。っ、よいしょ」
『んふふ、』
寝ているAの隣に座ると、のそのそ出て抱きついてくる天使。
背中を撫でてやれば、嬉しそうに笑って頬をすりすりしてくる。
ファンのみんなが見たら可愛すぎて絶対発狂すると思うわ。
ま、これ見れんの、俺らメンバーの特権やからなぁ。
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作者名：しなもんろーる | 作成日時：2022年8月28日 19時
