視線 ページ2
“坂本さんは居ますか?”と私がお店の人に尋ねる前に、大きな声で笑いながらお酒を飲む、男の姿が目に入った。かなり飲んだのか、上機嫌だ…。
顔なじみの支配人さんも苦笑しながら、男の方に視線を向ける。私は少し呆れつつも、支配人さんに笑みを浮かべてお礼を言い、男…坂本さんの元に向かった。
「おりょうちゃーん、結婚しとくれ〜!!」と叫びながらおりょうさんに抱きつこうとしている坂本さんを、後ろからグイッと引っ張る。途端に呻き声をあげる坂本さん。
「おお!雪花、おんしも飲むか…?」とグラスを渡してくる坂本さんに、「飲みません、ていうか飲めません。陸奥さんが怒ってますよ。帰りましょう。」と私は言ってグラスを机に置いた。
「なんじゃ素っ気ないのう…。まあいいき。すんませーん!お勘定お願いします。」と言いながら坂本さんは立ち、お勘定を済ませる。私はその様子を横目で見つつ、お妙さんと少し話しをする。
「よし!じゃあおりょうちゃん、また今度来るき、さよならじゃ。」と坂本さんがおりょうさんに言ったのを確認して、私もお妙さんに手を振った。
と、自分に鋭い視線が向けられているのを感じて辺りを見渡す。誰だろう…。お妙さんは違うし、おりょうさん…でもない。
私がそのことに気を取られているうちに、扉の方へ向かっていた坂本さんが私の方を振り返ったので、私は慌てて坂本さんと店を出た。さっきのはなんだったんだろう…?気のせいかな…
「どうしたんじゃ?雪花。さっきから怖い顔して黙りこくって。体の調子でも悪いんか?」坂本さんはそう言うと、私の額に手を当ててくる。なんてことをするんだこの人は…。
「ん…。熱はないみたいじゃのう。あり?おんし顔が赤いき、やっぱり熱でも…「だ、大丈夫です。なんか少し暑くて…。」と私が取り繕うように言えば、そうかと坂本さんは納得したように呟く。あ、危なかった…。
私は坂本さんのことが好きだ……。でも、この想いを伝えるつもりはない。こうやって、たまに坂本さんと同じ
「ん?わしの顔に何かついとるがか?」坂本さんは私の視線に気づいたのか、そう聞いてきた。「はい。目と鼻と口が…。」私がそう返すと、坂本さんは一瞬キョトンとしたあとに笑い出す。本当によく笑う人だ…。
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坂本雪奈(プロフ) - 大福(。-_-。)さん» 私も嬉しいです! (2018年12月24日 0時) (レス) id: 075208253c (このIDを非表示/違反報告)
大福(。-_-。)(プロフ) - 坂本雪奈さん» やはりそういうことですかね……!辰馬好きなんですね!周りに辰馬好きの人いないから、仲間がいて嬉しいです笑笑 (2018年12月24日 0時) (レス) id: 509ac84e45 (このIDを非表示/違反報告)
坂本雪奈(プロフ) - 多分、ようこそ推し尊いの世界へという事だと思います!私も辰馬大好きです! (2018年12月19日 16時) (レス) id: 0d84f3c92e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大福(。-_-。) | 作成日時:2018年5月5日 8時