【文豪ストレイドッグス】幽霊少女は、今日河に落ちた

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「軍警がいくら取り締まっても、船蟲のように湧いてくる。
港湾都市の宿業だな」


その話を聞いて、私の頭の中は船蟲がうじゃうじゃ湧いてくる絵を想像した
ただし気分が悪くならないように、ちゃんとかわいい絵柄で
うわかわいくしても気持ち悪いな



「ええ、無法の輩だという証拠さえあれば軍警に掛け合えます。
ですから」


「現場を張って証拠をつかめか……」


待ってください
勝手にお二人の間で話を終わらせないで
分かるように話してください


私の心の内に出した言葉は誰にも知られずに終わった
まあ当たり前だよね、心読めたらスゴイヨネ


「小僧、お前が行け」


「へっ！？」


「よかったね敦。頑張って」


「いやいやAちゃん。国木田さん！
僕一人では」


初仕事だからなのか、緊張の表情を見せる敦
さすがに一人はないでしょ


「ただ見張るだけだ。
それに密輸業者は無法者だが、大抵は逃げ足だけが取り得の無害な連中――。
初仕事にはちょうどいい」



国木田さんの話を聞いていると、確かに初仕事には向いていた
それでもなお渋る敦
それに痺れを切らしたのか、国木田さんは敦のために谷崎さんを付けることにしたようだ
ナオミさんも付いて行くことになったようだけど
それよりも



「あの、国木田さん」


「なんだ」


「私はどうすればいいですか」


仕事がない


「小娘は雑務だ」


あ、決まった

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