【リボーン】俺は、「死」ってもんに興味があるだけなんだよ。Second (ページ30)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:124,479 hit

§月の勝敗§ ページ30

―――『お兄さんて、頭に血がのぼると考えるより先に手がでちゃう人でしょ』

まさにその通りだ。
だからヒューズは背後から声がして、考えるよりも薙刀を振るってしまった。

「くっ、」

『本物はこっちだよ』

正面から…先ほど蹴り飛ばしたほうから声がした。

パキン

首に一瞬ひっぱられるような感覚がした後、さっきまで首にかけていたリングが消えていて、
ヒューズは思わずため息をついた。

『とった』

どこに向けて言っていいかわからないAは、リングを一つに合わせてとりあえず上に掲げた。

「…月のリング争奪戦、勝者、綾崎Aです」

『…あはは、勝った。』

そういってAは座り込み、

「っは…負けた」

と、ヒューズも机によりかかった。

―――――――

「…お前、あれどうやってたんだよ」

『うん？』

終わった。
勝ったよ俺。頑張ったよ俺。すっごく。
現在進行形で血がダラダラと出てる横腹を着ていたパーカーを裂いてきつく縛ってたら、お兄さんが話しかけてきた。

「俺、確かに後ろから声が聞こえたんだよ。お前、もしかして実は九尾が封印されたお偉いさんの子供みたいな奴なの？」

ナ○ト？
このお兄さん日本の漫画好きなのか？

『影分身はできないよ。あれは物理的に絶対無理だから』

全国のちびっこには申し訳ないけど。夢を壊してごめん。
そうじゃなくて、と倒れた教卓の裏に落ちているものを拾った。

「…ボイスレコーダー？」

お兄さんがまじかよ、というかんじの顔をする。(顔文字にするこうだ(；一_一))

さっき放送室で拾ったらしいこれ。
自分の声を録音してタイマーにしておいて「策」、「罠」として教卓の上に置いておいた。
時間になったら『こっちだよ、お兄さん』と流れるようになっている。
お兄さんは見事に引っかかってくれた。
で、その隙をついて俺がリングを奪った。
そんな感じだ。

『こっちからこなかったら、勝負をつけなきゃ二人とも死ぬからお兄さんが先に来ると思った。だから10分前になってもこの教室から動かなかった』

まあ最初はこっちから行こうと思ったけど、入れ違いになったら時間くうだけだし。
耳のいいお兄さんから来たほうが早い。

「…じゃあ、もう一個」

――――

Aが仕掛けていた罠は「ボイスレコーダー」だったんですね、はい。

さて、次はヒューズ君からの最後の質問。