§月は騙される§ ページ29
―――よし、逆転するための策は仕掛けた。
あとはどうやってこれをお兄さんに仕掛けるか、だよなあ。
のんきに考えてるように見えると思うけど、これでも頑張ってお兄さんの攻撃を避けている。
だんだん慣れてきたのか反撃にも出れるようになったし、さっきよりはマシな状態だ。
「逃げんな!」
『避けてるだけですう』
「…っ」
一つわかったこと。
このお兄さん、普段わりと常識人だけど、結構頭に血がのぼりやすい。
これ、うまく利用できないだろうか。
避けてるだけじゃ勝てないだろうし…。
避けてるだけじゃ……、ん?
…なんだ。
『簡単じゃん』
激しい攻防戦が続いていた今、
俺はわざとスキを与えた。
「!」
ドスッ
――――――――
第三者視点
「A君!」
校庭で見守っていたツナが思わず声をあげる。
ヒューズの薙刀の刃は、Aの横腹に深々と突き刺さっていた。
『…お兄さんて、頭に血がのぼると考えるより先に手が出ちゃう人でしょ。だから、俺がわざとスキを与えたことに気ずいたのに、思わず突いてしまった』
「…お前、」
Aの手が薙刀の先にあり、思わずあわてて引き抜こうとしたヒューズの手を逃がすか、とでもいうかのようにしっかりつかむ。
『風邪を切る音で長さはなんとなくわかったんだ。…ほら、これで届く』
Aの歪なナイフが、ヒューズの腕を切り裂いた。
「っぐ!」
ヒューズがAを思い切り蹴り飛ばして距離を置こうとした。机にぶち当たったようで、物が壊れる音が静かな教室に大きな音になって響いた。
さらにヒューズ自身もよろめき、後ろの教卓にぶつかり教卓が倒れる。
そのせいで先ほどまでAの息遣いの音などでAの場所がわかっていたのに、物音のせいでなにも聞こえない。
――(どこだ?物が崩れる音しか聞こえない、見失った!)
さらに腕の痛みが邪魔して集中できない。いくら暗殺部隊でも、痛いものは痛い。
『ここだよ、お兄さん。』
「! 後ろか!」
声がした自分の背後に薙刀を振って…後悔した。
後ろには、誰もいなかった。
いや、ヒューズ自身本当は誰もいないことがわかっていた。
だって自分がぶつかったのは教卓だ。倒れた教卓と黒板の間に人が入れる隙間なんてない。
わかっていたはずだったのに、思わず振るってしまった。
これが罠だとすぐにで理解した。
――
策の正体は、次でどんなのかわかります。
ラッキーアイテム
デニムタイトスカート
ラッキーカラー
あずきいろ
月の二人
「本編で俺ら、結構仲良かったよな。」『あーこれからもっと仲よくなるらしいよ』「まあ俺、お前の事嫌いではないよ」『奇遇だね。俺もだよ』
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薬泉(プロフ) - みなさん、第三段でまた会いましょう。 (2013年2月1日 16時) (携帯から) (レス) id: a46aa22d8f (このIDを非表示/違反報告)
薬泉(プロフ) - 闇音紅Ψ雪音銀牙さん» 友達と池袋行ったり、DVD見て過ごせたりb (2013年2月1日 16時) (携帯から) (レス) id: a46aa22d8f (このIDを非表示/違反報告)
闇音紅Ψ雪音銀牙(プロフ) - 薬泉さん» 銀牙「いいことあるのか?」紅「えー、なになにー?いいことあるの?」 (2013年1月25日 21時) (レス) id: e76357bb55 (このIDを非表示/違反報告)
薬泉(プロフ) - 凉さん» 変換ミスっt(( (2013年1月25日 15時) (携帯から) (レス) id: a46aa22d8f (このIDを非表示/違反報告)
薬泉(プロフ) - 闇音紅Ψ雪音銀牙さん» まあ、悪いことばかりじゃ無かったんだけどさww (2013年1月25日 15時) (携帯から) (レス) id: a46aa22d8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薬泉 | 作成日時:2012年10月20日 23時