【リボーン】俺は、「死」ってもんに興味があるだけなんだよ。Second (ページ28)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:124,482 hit

§月は考える§ ページ28

『落ち着け落ち着け、俺…』

すってはいて深呼吸して…ため息。

なんだあのお兄さん。
なんで怒ってんのかしらないけど、怒らせたら超怖かった。
くそう、俺本当に弱いな…。不良に勝って優越感に浸っていた数週間前までの自分にチョップしたい
頭を使おう。
今あのお兄さんは追いかけてきても俺が逃げるってわかったのか、追いかけていていない。

場所は2階の3年B組。
あるものは机とイスと教卓。まあ障害物としてはかなり使えるけど、いまいち…
こう、今の状況をひっくり返すようなそんなものが欲しい。
…そんな都合のいいものないよな…。

カシャンッ

『？』

ポケットから、なにか落ちた。さっき放送室でなんかひっかけてきちゃったのだろうか。
拾ってみて手触りを確認すると、それがなにかわかった。
と、同時に、
「これを使えば俺は勝てる」と確信した。

俺のカンも捨てたもんじゃないなあ。
さっそく俺はこれを使うため、教室のドアを閉めた。

***

「残り10分です」

チェルベッロさんの声が聞こえた。あと10分か。
うん、準備万端。あとはどうやってお兄さんに『これ』を仕掛けるか…。

ガラッ…

教室のドアが開いた音がした。
しかし、先ほどと違って割と静かで、声をかけたりもしない。

どうやら本当に俺を殺す気で来ているらしい。
おお、怖あ。

「…もう、逃げんじゃねえぞ」

『安心して。逃げないように対策したからさ』

「あっそ」

スパンッ

『あぶな』

横にふるった薙刀が、机の脚をすっぱりと斬った。
つーかどんな刃の磨き方したらそんな切れんだよ。摩擦ってすごい。

「逃げてんじゃねーか」

『避けてるんだ、よ』

「口減らず」

こちらもナイフを使って切りかかる。
紙一重でかわして、場所を気配でつかんでのどを狙って横に振る縦に裂こうとし、突き刺そうとする。

「…！」

≪剣技になってなかった？≫

≪あ゛ぁ≫

≪スクアーロがリング捕りに行ったときに戦りあった子供のことですか？でも、ナイフを使っていたんでしょう？≫

≪…俺がいくつもの剣技を一つの剣技にしているのに対し、あのガキはいくつもの剣技を「連続して使っている」ってかんじだ。Ａの剣技を使ったあと、すぐにＢの剣技に切り替わる、みてえにな≫

≪…そんなのとが≫

≪できるやつもいるぜぇ゛。だから、先が読めなくてリズムを崩されそうになる≫

――こういうことですか、スクアーロ。