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1ヶ月の期間を経て、康二が関西支社へ帰ることになった。
短い時間だったけど康二は俺にとって、とても大事な友達の一人になった。
普段、初対面の人に自分から積極的に話し掛けられない俺には、康二みたいに初めからグイグイと距離を詰めて来てくれる存在が本当にありがたかった。
今回のプロジェクトを任された各部署の担当者全員で、康二の送迎会も兼ねて社内のレクリエーション室で簡単な食事と缶ビールでの打ち上げが行われた。
もっとちゃんとしたお店でしよう、とゆう案ももちろん出たんだけど康二が、
「お店やと席に座ってもうたらあんま動かんくなるやん？最後やからみんなと喋りたいし、俺は気ぃ使わんとウロウロ出来るとこがえぇなー！」
そう言ったことで、このような形式になった。
お酒も少し入ってくると康二はさっき言ってた通りに、仲間の一人一人に声を掛けて回りはじめた。
今回の仕事の労いの言葉や、再会を約束する言葉、、
きっとみんなにも康二の存在は大きなものだったんだろうな。
「さっくん！また遊びに来てなー！」
「当たり前だろ！」
と向こうでは康二と佐久間が抱き合いながら叫び合っているところを、周りも微笑ましく眺めている。
しばらくして俺の順番がきた。
「阿部ちゃーん！」
と言って佐久間に続いて俺にも抱きついてくる康二。
背中をポンポンと軽くたたいて返す。
「いっぱいサポートしてくれてありがとうな。阿部ちゃんのおかげでめちゃくちゃ助かった！会えんくなるの寂しいわー！」
と言ってまだ尚、抱き付いている腕の力を強めてくる。
「うぉ、康二！ちょっと痛いから！」
「ごめんやでw」
やっとのことで離れていった。
そのまま仕事の思い出話などを二人で話していると、康二が突然
”あ！”と何かを思い出したような声を上げる。
「ビックリした！どうしたの？」
「阿部ちゃん！そういえば俺、阿部ちゃんの彼女の写真まだ見せてもらってへんやん！」
「あぁ……見せないよ、って言ってたけどね？あの時。」
「えぇー、気になるやんー！」
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作者名：milk tea | 作成日時：2022年6月14日 6時
