素直なあなたに2 (ページ4)

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支度を終えると阿部くんと岩本さんは既に扉の前で話しながら俺を待ってくれていて、このまま会社近くにあるいつもの居酒屋に行くんだろうと思いきや、、

「んじゃ俺帰るわ！」

一歩、会社の外に出たところで岩本さんがそう言って自分の帰り道の方へ颯爽と歩いて行ってしまった。

阿部くんも特に驚く様子はなくて、”おつかれー！”なんて言って普通に手を振ってるし。

「え、、？岩本さんは行かないの？」

「あー、、何か今日は予定があるみたい。じゃ行こっか？」

「あ、うん。」

先に歩きはじめた阿部くんの後ろをついて俺も歩き出した。

…………ん？

駅の方面には向かっているんだけど、、ちょっと遠回りの公園の中道を何も言わずにどんどん進んでいく阿部くん。

そして少しすると突然こちらに振り返り、

「目黒、、、ちょっとそこ座らない？」

そう言って阿部くんが指差したのは公園の中にある小さなベンチだった。

…あれ？ここって、、、

辺りは暗く、公園内の街灯が俺たちを照らしていて、
帰宅途中の人だとか夜の散歩中のような人達がまばらに目の前を通り過ぎて行く。

２人してベンチに腰掛けるも、阿部くんは特に何か話し始める様子はなさそうで俺から会話を切り出してみる。

「阿部くん今日はありがとね。たくさんフォローしてくれて。俺一人じゃ何も出来なかったよ。」

そう伝えると阿部くんは優しい笑顔を俺に向けてくれた。