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飲み会がお開きになり、帰りの電車に揺られる。
今なら分かる。ついこの間まで阿部くんもこんな気持ちだったんだな。不安とまでは行かなくても何となくモヤモヤする。
「阿部くん、、今日楽しかった？」
「すごく楽しかった！計画してくれてほんとにありがとな！」
阿部くんからは食い気味に返事が返ってきた。
「それなら良かった。あの……ラウールのこと知ってたんだ？」
「あー……黙っててごめんね？別に隠すつもりはなかったんだけど、何か言うタイミングを逃しちゃって、、
でもラウール君ってめっちゃ人懐っこいし良い子だね！目黒が可愛がるのも分かるわ。」
「あいつめっちゃ素直で良い奴だからね。」
そう言葉を交わしながら、この日は２人で俺の家に帰った。
それから２週間程経ち、週末に俺の家で２人でテレビを見ている時のこと。
阿部くんの携帯が震えると、”あ、ラウール君だ！”って言いながら嬉しそうに内容を確認している。
「…ラウールとよく連絡とってるの？」
「うん、何かよく送ってきてくれるんだよ。」
「へぇ、、」
「今日だってね、昼休みにメッセージきてさ、ほら見て！」
と携帯の画面を俺に見せてくれて、２人のやり取りを覗き込む。
”今ふっかさんと一緒にラーメン食べてます！阿部さんの今日のランチは何ですか(^^)？”
”俺も今目黒と食堂でラーメン食べてるよ！”
”わぁ！一緒ですね(^^)僕も今度阿部さんと一緒に食事行きたいなぁ！”
こんなやり取りの後にはふっかさんが撮影したであろう、ラウールとラーメンが写った写真も添付されている。
………ラウールが阿部くんにめちゃくちゃ懐いてる。
いや、狙ってるの間違いか？
あと写真は絶対いらないじゃん。
阿部くん、”可愛いねー”なんて返事してるし。
「なんか新しく弟が出来たみたいで嬉しい。」
俺の気なんて当たり前に知る由もなく、阿部くんが呑気に隣で笑ってる。
「阿部くん、弟いなかったっけ？」
「いるよ！でも年も近いし、もう大分長いこと会ってないからなー。だから余計にラウール君のこと可愛く感じるのかも。」
あいつめちゃくちゃ人見知りな筈なのに阿部くんには初めからグイグイだったからな。それほど本気とゆうことなんだろうか、、、
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作者名：milk tea | 作成日時：2022年6月14日 6時
