断章取義【続】5

#209 ページ19

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最近のヤスはちょっと不機嫌、というか体調悪そうな顔をする。



特に、食堂とかの人の多いところ。


対人恐怖症にでもなったんちゃうかなって思うけど、


色んな人話すのが好きなヤスやから、そんなことないよなぁって。





結局原因はわからんくて、それでも日々は続いていく。



大「え、すばる先輩が留学？」




丸「うん、学校の方針とすばるくんの実家の関係で2ヶ月ほど」




丸ちゃんに相談したら解決するかなって思って

中庭で一緒にお昼を食べている。



大「いつ発つんですか」



丸「来週

やから、大倉ももしかしたら家の関係で飛ばされるかもしれへんでって、言うとこうと思って」



大「ありがとう…でも、結構急やねんな、決まんの」


丸「ううん、2学年に上がってすぐくらいには決まってたらしい。

今まで全部断っとったんやって。

僕、そんなことも知らんかった。」




潤んだ瞳が下を向いた反動で雫を落とす。



今は相談できそうにないな、と諦めて丸ちゃんの背中を撫でる。





留学か…



大「丸ちゃんは一緒に行かれへんの？」




丸「うん、保護者からの許可申請いるねんけど

僕は一応家出てるから。」




お互いにうまいこといかんなぁ、なんて思いつつ、


丸ちゃんが泣き止むまで背中を撫で続けた。



結局、予鈴がなるまで泣き続け、


俺は5限目に遅れそうになった。









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