ぽーくかれーおんたまのせ【影山飛雄】 (ページ6)

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かれーがむっつページ6

なあ、なんであいつら、
俺のトス打てねぇんだろ。

あれくらい打てねぇと勝てねぇのに。

もっと速く飛んで
俺のトスに合わせりゃいいのに。

まるで自分が中心みたいな

自分だけで勝利しようとしてるみたいな

そんなセリフが増えてきた中学二年生の秋のこと。

・

・

バレーはチームプレーでしょ？

そんなこと言ったらだめだよ。

とか、

もっと周りのこと考えなくちゃ！

勝つ方法はいっぱいあると思うよ。

とか。

・

飛雄に言いたいことも、言えることも、

本当はいっぱいあったんだ。

でも私は何も言えなかった。

帰宅部で、家でのんびりしてる私が、

一生懸命な飛雄に口出しできる立場なの？

飛雄は飛雄なりに

精一杯考えた結果なんじゃないの？

そんな考えが頭をよぎって離れない。

言ってどうする。注意してどうする。

なんの説得力もなく無意味なだけじゃないか

・

・

｢はい、おまたせ！｣

そんな無力な私が飛雄に唯一できること。

｢いただきます。｣

それは、君にカレーを作ってあげること。

…君に温もりをあったかさを与えること。

・

・

それしかできない私だけれど

私は飛雄の味方だからがんばって！！

夏の大会に優勝して、笑って帰ってくる飛雄、

見れたらいいなぁ。

・

それが見れたらあの時みたいに

ハイタッチでもしようかな。