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放課後、私はあの空き教室に行く。
1人で考え事をしたかったから。秀と見つけたところだから秀がこないとは限らないけどたぶんまだ隣のクラスはHRしてたから大丈夫。
ロッカーに隠してあった自前のレジャーシートを敷いて床に足を広げて座る。
この時間が好き。
「わたしなにそんなに考えてんの……友達に恋人ができるとか、そんなん普通の話じゃん……。」
自分に言い聞かせてもなんとなく腑に落ちない。
井「それが友達じゃなくて好きな人だったら?」
唐突に声がしてぱっとドアの方を見たら秀が立っていた。
「なんで……」
井「なんでってここ、俺が見つけたとこでもあるんですけど。」
「たしかに、そ、そうだよね。てか聞こえてた?もしかして。」
やばい、どうしよう、今のきかれてたってことは私がすごい誰かのことで悩んでるって勘違いされるじゃん、
間違えではないけどさ
井「うん、ちゃんと聞こえてた。誰のこと考えてたの。」
そう言いながら秀もレジャーシートの上にあがってきて私に背を合わせるかたちで座った。
お互いの背中にもたれかかる形で。
心做しかすごく背中が熱くなる。
「だれのことでもいいでしょ……知って秀は得するわけ?」
焦った故に言い方がきつくなってしまう、
気づいた頃にはもう遅くて
「ごめん、なんでもない。」
秀はなにも言わず沈黙が続く。
外で部活動生の声が聞こえはじめてきた。
井「青桐さんが誰のこと考えるか知ってるって、俺が言ったら?」
……え、
もう知られてるの?そりゃあんなに授業中上の空だとバレても仕方ないけど隣のクラスの秀にバレてるとは思わなかった。
井「ねえ、青桐さん。これはひとりごとなんだけど。」
うん、きいてほしいやつね。
井「俺はさ、もしね、もしもの話。好きな人が自分のことで焦ったり悩んでくれてるのは嬉しいわけですよ。だって俺に好きな人がいるのか?って悩んでくれてるわけでしょ?そんなの、気にしてくれてるの一択じゃん。すごい嬉しい。浮かれてしまう。期待してしまう。」
好きな人の話……どんどん秀の声も私の声も震えてきている。
「それがどうしt」
井「しかもさ、それがあの青桐さんだよ?いつも毒舌なとこあるし、ドライだし、俺とテンション差あるし、そんな青桐さんが俺の事、考えて悩んでるって、びっくりするよ。嬉しいよ。」
え、それって?
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えむた(プロフ) - めちゃくちゃすきです!!! (12月21日 2時) (レス) @page36 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
咲彩(プロフ) - ありがとうございます!楽しみにしてます! (9月15日 11時) (レス) id: 28264e40c2 (このIDを非表示/違反報告)
ひのこ(プロフ) - 咲彩さん» ありがとうございます〜!描かせて頂きます! (9月14日 8時) (レス) id: 129a38c93a (このIDを非表示/違反報告)
咲彩(プロフ) - 初コメント失礼いたします。嫉妬して不貞腐れたりする井浦くんがめちゃくちゃ可愛いです!!リクエストなんですが、二人が休日デートをしているところを見てみたいです。 (9月13日 15時) (レス) @page33 id: 28264e40c2 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - ありがとうございます😭これからも応援してます🥲 (9月4日 7時) (レス) id: 7f6cb88efe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひのこ | 作成日時:2023年8月1日 1時