なんかあいつが匂わせてくる【五条悟】

flavor 2 ページ13

何でだろう、ここ数日間あの笑った五条の顔が忘れられない。
思い出すと顔が熱くなる。

「好きになってはいない……よね。」

うん、そう、好きじゃない、ただかっこよかったってだけ。

五「誰を好きになってないって？」

声のする後ろを向くとドアップで五条の顔があった。
サングラスに顔が当たりそうなくらい。
……匂いに気づかないくらい考え事しちゃってたってこと……？

「な、なんでいるのここに……。」

五「そりゃ共用スペースだからいるだろ。」

そうだよね。いるよね、寮だもんな、

五「で、誰のこと？」

まじまじとこちらを見てくる五条。
私の頭に腕を置いてソファに体重をかける奴。

……あれ、

「金木犀……？」

五「そ、今日は金木犀でーす。」

「時期外れじゃん、どうしたの。」

甘いような、独特のこの香り。私金木犀好き。

五「香水くらいはあるだろ。なに、この匂い好き？」

「あ、うん、金木犀の木、家の近くにあって小さい頃から好きだったから。秋になるのがいつも楽しみだった。」

毎日毎日、金木犀の香りがする時期は庭で過ごしてたっけ。

五「ふーん、おっけ、金木犀ね。」

「なにがおっけーなの、」

五「こっちの話、それより出かけようぜ、任務無いだろ？」

出かける……五条と？

「無いけど、あ、硝子さっきいたよ、呼ぶ？」

さっきここにくるときに会ったんだった、
タバコ吸ってくるとか言ってたけど。

五「いや、硝子含めてじゃなくて、俺とお前、ふたりで。」

ふたりか、まあいいけど。

「どこ行くの？」

五「決まってんだろ、買い物だ。」

そう言ってなぞにドヤ顔をする五条、わけわかんない。

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