22 ページ22
「あ…あぁ…。」
ヘルトが固まってると、うめき声が聞こえそちらを見ると。
「も…申し訳…ありません…！《主》様っ！こ、これは…！これは…！」
床に頭をこすりつけ、謝罪する男の姿。その隣で付き人も姿勢を低くして床を見つめている。
なんともシュールな光景だ。
…というか、これ自分もひれ伏したほうがいいのだろうか…？
必死に許しを求めている大人を見つめてふと思った。
変なことに悩んでいるヘルトを置き去りに、事が進んでいく。
「あのさぁ…。あの妖精くん…オベロンくんに怒られんの僕なのよ。ハティはネイチャーにしか生息してないやつだよね？ここにいるってことは…『違法輸出』だね？」
静かに、まるで親が子供を優しく諭すような口調だが、目が笑っていない。
相当頭にキテいるのだろう。
(ンン…展開に追いつけない…。)
首を傾げるヘルトにもお構いなしにグローリーは震える大人を見つめる。
「はい、で？なに？ずっと黙ってんの？一応ここに兵は呼んでるけど、ちょっと時間かかるからその間に僕に教えてよ。」
スッとしゃがみ、更に問いただす。
「やったのはここの家だけかな？」
「！」
その質問にビクッと分かりやすい反応を示した男に呆れた、とため息をつくグローリー。
「つまり君が始まりってわけじゃないんだね？まぁ、そもそも『逃がしてる』時点で初心者なんだろうけどさ。」
その言葉にヘルトはただただ絶望した。
つまり、今回のように他にもその『違法輸入』をしている人…犯罪を犯している人がまだいる…というわけか…？
「そ、それって…それって…。悪いこと…じゃないの…？」
理解し難い。
なぜダメなことをやってしまうのか？
グローリーはしゃがんだ姿勢のまま言った。
「『子供』は理解できるのに『大人』は理解できないの？」
純粋な問いかけ。
意味も理解できるもの。
簡単な質問。
なのに震える男は何も答えられなかった。
「…そろそろ来る頃かな。」
静寂を破って静かに終わりを口にする。
「反省しろ…とは言わないよ。自分で見つけてこその人生だ。」
なんか重みを感じる言葉だ。
自分より小さいくせに…なんだかいろんな所で負けたと思うヘルト。
そして彼はふと思い出した。
「あ！メシア！」
そして現在。
「馬鹿なの君！？この島で最大の馬鹿でしょ！」
「ご、ごめんなさい…」
ヘルトの目の前でグローリーに説教をされているメシア。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
DAU姉妹 - NIT姉貴で作ろうと思ったらその垢で使ってたスマホたんどっか行っちゃった。 (2020年4月13日 9時) (
レス) id: f520619b88 (このIDを非表示/違反報告)
NIT姉貴(プロフ) - とりあえず無地着地できるかどうかが一番の心配である。 (2019年8月8日 11時) (レス) id: 0d6dd62184 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
