未定！ (ページ3) - 小説/夢小説

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経緯ページ3

現れたのは背の低い老人だった。
伊作「学園長先生！」
学園長「話は聞かせてもらった。伊作、素性の知れない者をそう簡単に入れてはならん。」
伊作「す、すみません…。つい。」
叱責を受けた伊作は肩を落としたが、すぐに
伊作「でも！この方は悪い方ではありません！それなりの事情があるのだと思います！」
と、開き直り弁解した。
学園長「事情とな。では聞かせていただこうか。ここにやって来た理由をな。」
学園長はAを鋭い目で睨んだ。
Aは思わず緊張したが、姿勢を整え、そしてゆっくりと話し始めた。
A「はい。私の名前は柏 Aです。それではお話させていただきます。」
私の家庭は貧しく、母親と二人で静かに暮らしていました。
私と母は農作物を育てては売り、とにかく一日中働いていました。
しかし母は先日亡くなりました。働きすぎで疲れていたんだと思います。
たったひとりの家族だったので本当に悲しくて…。そこから先ははっきりと覚えていませんが、とにかくあてもなく歩き続けました。無意識に気を紛らわそうとしたんだと思います。

A「三日は歩いたと思います。次に気づいたらここにいて…。」
Aは今にも泣きそうな気持ちをこらえて話した。
伊作と学園長はしばらく黙っていたが、やがて学園長が口を開く。
学園長「なるほど…。ところでお主、年はいくつじゃ？」
意外な質問にAと伊作は小首をかしげる。
A「十四ですが…」
学園長「忍びの経験は？」
A「全くないです。あの、どういうことですか？」
学園長は口の端を歪ませるとこう言った。
学園長「いやな、これから行く当てが無いのならここで働くのはどうかと思ってな。お主がその気でないなら構わない。」
A「え！？」
動揺するAをよそに伊作は満面の笑みを見せた。
伊作「それ名案です！ねえ、どうかな、柏さん。事務員として働いてみるってことですよね！」
学園長「うむ。」
それを聞いてAは考えた。忍びの経験は無いが、事務員としてならやっていけるかもしれない。忍者の集まる学園といってもこの二人を見る限り、あまり危険ではなさそうだ。ここを出ても何をすればいいかわからないし……
A「私、やってみます。出来る限りのこと、お手伝いさせてください！」
その返事を待ってたというように、二人は目を輝かせた。

伊作「それじゃあ早速準備を！」

こうして、Aの学園生活が始まろうとしていた。