第37話 ページ3
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no side
「!!…陵!」
良かった…と顔を綻ばせ、少女は幼なじみに抱きついた。
「ここ…どこだと思う?」
「…多分、文乃が引きずりこまれたカゲロウデイズだと思う」
幼なじみはカゲロウデイズ?何だそれ。と首を傾げた。
少女は詳しくカゲロウデイズについて話した。
「…そうか。なら俺たちは、どちらかしか戻れないって訳か」
「私が残る…!!だから、陵は戻って」
少女の瞳には強い意志が宿っていた。
…が、それを遮って幼なじみは口を開いた。
「俺が残る。おまえは帰るんだ」
「な!?ダメだよ、私が…「A」…!?」
名前を呼ばれ、少女は幼なじみに強く抱きすくめられているのを悟った。
「…なあ、俺さ、小さかった頃から、おまえが好きなんだ」
「え…?」
突然の告白に、少女は動揺した。
「楯山がいなくなった時も、俺が守るって、そう決めた。だけど、守れなかった。結局、こんなとこに連れて来ちまって…」
「違う…陵は、ずっと一緒にいてくれた…連れて来ちゃったのは私の方だよ…」
___そう、彼はいつでも自分の側にいたのだ。
幼なじみは少女をスッと離すと、正面から少女を見据えた。
少女も涙に視界を歪めながら、その瞳を受けた。
「A…好きだ。もう、会えないと思うけど…本当に、おまえが好きなんだ」
気付けば距離はもう0だった。
「だけどな、俺じゃ、おまえの特別にはなれない。それになれるのは、きっと‘‘アイツ’’しかいねぇんだ」
少女はただ、泣いた。
幼なじみは優しく背中を撫でていてくれた。
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「A」
大好きな声が聞こえた。
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mo-ta(プロフ) - いーのOK。さん» ありがとう!体育祭も頑張って更新しようかな、と思います!夏休み中は難しいけど…これからもよろしくね! (2015年8月28日 18時) (レス) id: 72a1685541 (このIDを非表示/違反報告)
いーのOK。 - mo-taさん» 採用ありがと!読みましたよ〜 ちょっとドキドキした (2015年8月28日 14時) (レス) id: 83bbc2451d (このIDを非表示/違反報告)
ストロベリーラヴ(プロフ) - mo-taさん» 第1回メカクシ体育会せーへんの?50m走とか玉入れとか騎馬戦ネタけっこう面白そうやけどなぁ (2015年8月27日 22時) (レス) id: 732b4a608e (このIDを非表示/違反報告)
mo-ta(プロフ) - ストロベリーラヴさん» まじか!wwありがとうヽ(*^ω^*)ノ体育祭はネタというか…ちょっとむずい←本編に戻るかも (2015年8月27日 22時) (レス) id: 72a1685541 (このIDを非表示/違反報告)
ストロベリーラヴ(プロフ) - mo-taさん» おっ、お化け屋敷もなかなか… (2015年8月27日 22時) (レス) id: 732b4a608e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mo-ta | 作成日時:2015年8月13日 14時