おねーちゃんは頑張る

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すこし昔の話をしよう。





どのくらい昔かというと、



Aがまだあの家にいて、



藍と一緒に寝ていたときくらい昔の話。









Aたちは近所でも評判の仲良し姉妹だった






毎朝一緒に学校に行き、




帰ってきたら一緒に宿題して、




お風呂も寝るのも一緒だった。






Aは藍のことが大好きだったし、



藍もAのことが大好きだった。






しかし、そんな仲良し姉妹なある事件をきっかけに次第に離れていってしまう。





それは、姉が13歳、妹が11歳のある日。



この年は近界民(ネイバー)の大規模な侵攻があり、



Aたちの街はだいぶ混乱していた。





住民たちは近界民(ネイバー)から自分たちを守ってくれるボーダーを心の支えに日々を過ごしてきた。






もともと正義感が強く、人を守ることにひどく憧れていたAはボーダーという組織に興味を持った。








「 おかあさん 」




「 どうしたの？ 」





「 わたし、ボーダーに入りたい 」





母親は娘がいつかそう言い出すことを予想していた。









「 そっか 」




「 反対しないの？ 」






「 反対したって聞かないでしょうに。ほんと、誰に似たのか石より頑固なんだから 」





母と娘はその日父親に相談した。




その瞬間、娘 Aの過酷な運命が始まった。









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