杉田妹、声優兼Deargirlな模様。 (ページ7)

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始めての共演⑤ ページ7

「今回『るるるるーびっく』アニメ監督の佐東です、えーよろしくお願いします」
「音響監督、戸渡ですよろしくお願いします」
声優陣から拍手が起こる、どんどん制作陣の紹介がされていく

「えー、それでは主人公の小野さんと杉田さんから順番に挨拶お願いします」
「はい、主人公『捌吉惺斗』役小野大輔です、よろしくお願いします」
「同じく、主人公『九枝瑠璃愛』役杉田Aです、よろしくお願いいたします」
「『九枝瑠璃愛』兄兼ルービック部部長『九枝陸』役中村悠一です、よろしくお願いします」

一通り声優陣の挨拶も終わり、ゲネプロを行う、1話の録音は今日では無いので時間が余ったからという言い方を変えれば暇つぶし

「瑠璃愛と君の入部を認めよう！」
「これからよろしくね、九枝さん」
「瑠璃愛！瑠璃愛って呼んで、九枝だと兄さんと被るじゃない！」
「わ、わかった瑠璃愛さん」
「…よろしく捌吉」

「はい、カット、ありがとうございます、本番でもこの感じでお願いします」
佐東監督がそう言って、私は少し肩の荷を下ろす、小野さんの横で喋ってるの緊張しすぎる…！

「Aちゃん上手だね！びっくりしちゃった！」
「う、嬉しいです、ありがとうございます！」

憧れの人に褒めてもらうのは嬉しすぎてまた溶けてしまいそう
「A、溶けてんぞ」
「んぇ、！？」
横から指で頬をつつかれる
「中村さん、小野さんちょっといいですか？」
そう音響監督に呼ばれて2人は席を外す

「調子乗ってるよね」
「杉田智和の妹だかなんだか知らないけど…」
「知名度だけで売れてる声優って感じ」
ヒソヒソと聞こえる嫉妬の声には耳を伏せる、知ってる中村さんと仲良くしてるからアンチスレがあるのも、兄ちゃんの妹だからと売れているのも
でもたとえニセモノの声優だとしても嘘をつき続ければ虚像は実像へと変わる、何を言われようと折れる気は無い

「あんなのに仲良くされて中村さんも小野さんも可哀想ね」

そう誰かが言った瞬間、扉を乱暴に開ける音がし、盛大な舌打ちが聞こえる

「…準レギュラー程度の役しか貰えない奴がゴタゴタほざくなよ…」

超絶低い、その声はその中村さんで
「…Aちゃん、ご飯いこっか〜、ゆーきゃんが奢ってくれるって」
小野さんがそう言って、中村さんがいつもみたいに手を繋いでくれる
「…悪口言ってる子は売れないよ」
そう小野さんが言ったのを私は聞き逃さなかった