58.あなたが好きです ページ10
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「てっきり、あちらの園に近いところにお住まいだと思ってたので……」
インスタントのコーヒーをすすりながら、
相葉先生が、ようやく温もってきた炬燵の中に片手もツッコんで言った。
「なんだかんだで引っ越しするのがめんどくさくて……
母ちゃんも、無理に家に帰って来いって言わないし」
「あ……」
「家に帰ってまで仕事の話とかしそうでしょ？(笑)
夕飯しながら、『園長、この間の保育参観で……』なんて話題はやだしなぁ」
冗談交じりに、そんなことを言ってみる。
「あの！！」
半分ほど飲んだカップをテーブルに置いて、
相葉先生が意を決したように、おいらに向いた。
「プライベートな話をしてもいいですか！」
「A先生のこと？」
「はい！ そ、それもありますけど……//」
「おいらに遠慮することはないって言ったはずだけど？」
「それでも！！ やっぱり知っておいてもらいたいんです！！」
「…………いいよ」
マグカップを持ち上げて、少し冷えてきたカフェオレを口に含んだ。
「俺…… 俺はっ……///
智先生、あなたが好きです！！///」
「ブ―――ッ!!」
はぁ！？
「ああっ ちがっ/// そういう意味じゃなくて！！///」
おいらは、ふき出したカフェオレをティッシュで拭いながら、
大慌てする相葉先生を凝視した。
「俺、昔 智先生に会ったことがあるんです！！
そのときから、あなたに憧れて この仕事についたんです！！」
「へ……？」
昔？？
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作者名：たると
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/tarutolist01/
作成日時：2015年12月2日 12時
